2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17052033
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Research Institution | Mitsubishi Kagaku Institute of Life Sciences |
Principal Investigator |
野瀬 俊明 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 主任研究員 (70183902)
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Keywords | ES細胞 / 生殖細胞 / Vasa遺伝子 / 性分化 / 配偶子形成 |
Research Abstract |
1.ES細胞in vitro分化系における雌雄分化系質の発現解析 生殖細胞特異的遺伝子Vasaの発現をGFP及びRFPレポーターで可視化したES細胞を用いることによって、長期胚様体分化過程に出現する生殖細胞の分離を可能にした。分化後3週目の生殖細胞について発現遺伝子を解析した結果、従来の報告とは異なり、雌雄の配偶子形成細胞の分化が確認された。この実験結果は、異なる複数のES細胞株を用いても再現された。同時に、雌雄性腺支持細胞の分化形質を検定した結果、支持細胞においても雌雄分化が起こっていることが判った。この雌雄分化が胚様体1個毎の性分化によるものか、或いは、1個の胚様体内に雌雄が混在するかを知るため、胚様体毎のPCR検定を行った結果、胚様体では雌雄生殖細胞が混在して分化していることが判明した。一方、胚様体培養と平面培養において、雌雄分化の差異が見られるかどうかの検討では、胚様体に比して平面培養下での生殖細胞分化が極めて低頻度であるため、比較することはできなかった。 2.ES由来細胞塊における支持細胞・生殖細胞の相互作用 雄性支持細胞であるセルトリ細胞特異形質Sox-9抗体によって、胚様体組織内の支持細胞分布を解析したところ、セルトリ細胞は分散した分布を示した。これは、局部的には生殖細胞との隣接関係が見られる一方、両者が局在化した性腺組織構造の存在はないことを示した。また、雌雄支持細胞をES細胞分化系へ混合する効果についての予備的培養を開始するとともに、雌雄分化の誘導因子であるMIS及びWnt4蛋白質の発現ベクターを構築し、組換え体細胞株を樹立した。
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