2005 Fiscal Year Annual Research Report
酢酸菌キノヘモプロテイン・アルコール脱水素酵素の構造機能変換と呼吸鎖複合体の形成
Project/Area Number |
17053017
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松下 一信 山口大学, 農学部, 教授 (50107736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広津 建 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (10047269)
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Keywords | キノヘモプロテイン / シトクロム c / ピロロキノリンキノン / ユビキノン / 表在性膜蛋白質 |
Research Abstract |
1)酢酸菌アルコール脱水素酵素(ADH)のユビキノン(UQ)還元及びユビキノール(UQH_2)酸化反応部位の解析:本酵素に強固に結合しているUQの高親和性部位(QH)とは別に、バルクのUQ及びバルクのUQH_2と反応する低親和性部位がQHの近傍に別々に離れて存在することがキノン特異的阻害剤による阻害実験によって明らになった。また、この結合型キノンがバルクUQ及びUQH2との電子移動反応に介在して機能していること示すEPR解析データも得られている。 2)活性型ADHおよび不活性型ADHのX線構造解析:蒸気拡散法で既に活性型と不活性型ADH双方の結晶を得た。その大きさは活性型0.5 x 0.1 x 0.05mm、不活性型0.3 x 0.1 x 0.02mmである。共に赤色・板状の結晶で、正方晶系、空間群I422に属し、格子定数はα=b=241.4,c=307.1Åである。分子量は約14万で、非対称単位中の分子数は1。回折データの分解能は共に3.1-3.5Åである。現在、さらに重原子同型置換体の検索を進めているが、現在までに、本酵素に含まれる4つのヘムc(cI,cII1,cII2,cII3)とPQQはその位置及び相互の関係も明らかになっている。 3)酢酸菌呼吸鎖末端バイバスオキシダーゼとADHとの複合体の解析:酢酸菌の呼吸鎖のシアン耐性バイパスオキシダーゼの実体がcio遺伝子であることを明らかにした。加えて、細胞膜から不活性型ADHとCioの複合体に対応するシアン耐性UQH_2酸化活性を可溶化する条件を確立し、ショ糖密度勾配遠心及び通常のカラムクロマトグラフィーによってADH-Cio複合体の分離を試みた。ADH-Cio複合体の単離にはまだ成功していないが、今後、精製酵素からの再構成法ともあわせて、不活性型ADH・cioの呼吸鎖超分子複合体の分離及び再構成を行う。
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Research Products
(3 results)