2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17054013
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
澁谷 浩司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30261324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 淳之 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (40261276)
佐藤 清敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (50401386)
森口 徹生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, COE拠点形成特任教員 (40323571)
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Keywords | NLK / TCF / LEF / NARF / E2-25K / ユビキチン化 / E3リガーゼ / リン酸化 / タンパク分解 |
Research Abstract |
NLKはMAPキナーゼファミリーと考えられている。我々はNLKがTCF/LEFを直接リン酸化することでTCF/LEFとβ-カテニンの複合体形成を阻害し、Wntシグナル伝達を抑制することを報告してきた。今回、NLKと会合する分子群の検索を酵母two hybrid法を用いて実施した結果、N末端側にRINGフィンガー領域を有する分子NARFを単離した。次にNARFと会合する分子の同定を試みたところ、ユビキチン結合酵素E2-25Kを検出した。多くのRINGフィンガータンパクがE3ユビキチンリガーゼとして機能することから、NARFがユビキンリガーゼ活性を発揮するのか検討した。NARFとE2-25Kを用いてin vitroユビキン化アッセイを行ったところ、NARFが自己ユビキン化されることが確認され、NARFがユビキチンリガーゼ活性を有していることが明らかとなった。 in vitroユビキン化を指標にNARFの標的分子の検索を行ったところ、Wntシグナル下流の転写因子TCF/LEFがNARFによってユビキン化されることが判明した。このTCF/LEFのユビキン化は、NLKのキナーゼ活性に依存して促進された。siRNAを用いて内在性NARFを消失させるとTCF4の蓄積が確認された。これらの結果はNARFがユビキチン化を介してTCF4のタンパク量を制御していることを示している。また、Wnt3a刺激により誘導されるWntシグナルの標的遺伝子DKK1とaxin2遺伝子の転写がsiRNAを用いた内在性のNARFタンパクの消失により、更に増強された。 以上の結果から、NLKによるWntシグナル伝達の抑制機序には、NLKがTCF/LEFをリン酸化修飾することに加えて、NARFによるTCF/LEFのユビキチン化とそれに伴うタンパク分解が関与するが明らかとなった。
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