2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17054013
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
澁谷 浩司 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (30261324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 淳之 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (40261276)
金 美善 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (70508332)
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Keywords | NLK / p38 / 頭部形成 / 結合因子 / アフリカツメガエル / Mo / シグナル / リン酸化 |
Research Abstract |
Nemo-like kinase (NLK) は、MAPキナーゼファミリーと類縁のセリン/スレオニンキナーゼであり、転写因子TCF/LEFをリン酸化することによりWntシグナルを負に制御し、またTGF-βシグナルの下流でSTAT3の機能制御に関与し、中胚葉誘導を担っている。一方、初期胚においてNLKは前頭部の神経領域において強く発現し、神経系を誘導することが明らかとなっている。NLKの機能に関与する新たな関連因子を得ることを目的として、293細胞に強制発現させたNLKを免疫沈降し、共沈タンパク質群をマススペクトロメーターにより解析した。その結果、MPAキナーゼであるp38をNLK結合因子として同定した。実際、293細胞にNLKとp38を共発現させ、免疫沈降およびウエスタンブロット法により、細胞内でNLKとp38が複合体を形成していること、p38がNLKをリン酸化できることを確認した。次に、発生過程におけるNLK-p38複合体の機能を明らかにするため、アフリカツメガエルを用いて解析を進めた。アフリカツメガエル初期胚へmorpholino-antisense oligonucleotide(Mo)を微量注入し、内在のNLKあるいはp38をノックダウンしたところ、いずれの胚においても頭部形成が不完全となった。Moを微量注入した胚における各種マーカー遺伝子の発現をRT-PCR法により調べた結果、いずれの遺伝子ノックダウンによっても、前方マーカー遺伝子の発現量が低下していることが明らかとなった。以上のことより、NLK-p38の前頭部形成制御に関与している可能性が示唆された。
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