2005 Fiscal Year Annual Research Report
左右非対称な器官形成を支配する、遺伝子発現制御機構の解明
Project/Area Number |
17054024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白鳥 秀卓 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助手 (90362590)
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Keywords | 器官形成 / 左右軸 / 発生生物学 / Pitx2 / 転写制御 |
Research Abstract |
1.Pitx2の発生時期特異的な役割や、Pitx2発現細胞の細胞系譜の追跡 Pitx2が器官形成前のみ発現するトランスジーンや、野生型ASE(左側特異的なエンハンサー)によってPitx2を発現させるトランスジーンをPitx2 ASE欠損マウスに挿入し、その表現型の回復を解析した。その結果、どの器官の正しい左右非対称性形成にも、マウス胎生9日目以降のPitx2の発現が必要なことを明らかにした。 また、ASEによりCreを発現するトランスジェニックマウスと,Creが発現した細胞の細胞系譜でlacZを発現し続けるトランスジーンにより、Pitx2が発現した細胞の細胞系譜を追跡した。その細胞系譜と,Pitx2が発現中の細胞を比較した結果,Pitx2が発現開始した左側板中胚葉の細胞全てでPitx2の発現が維持するのではなく、心臓の一部の領域では発生過程の途中からPitx2の発現が消失していることが分かった。さらに、このPitx2の発現消失には、Pitx2によるPitx2の発現抑制機構が関与していることが示唆された。 2.Pitx2の下流遺伝子のスクリーニング 受精後9日目のPitx2 ASE欠損マウス胚と野生型マウス胚を約20胚ずつ集め、そこから集めたRNAを1ロットとする。その2ロットを使用し、ほぼ全遺伝子が載っているマイクロアレイ(Codelink)を利用して、Pitx2 ASE欠損マウス胚と野生型胚で発現量の差に再現性が認められる遺伝子を探索した。その結果,マイクロアレイで発現量に差があった遺伝子87個を抽出した。現在、この87個の遺伝子について、Whole-mount in situ hybridizationによりマウス胚における発現様式を観察している。
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