2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17054029
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 陽介 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (90183855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 優 独立行政法人産業技術総合研究所, チームリーダー (40357348)
古本 強 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30313208)
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Keywords | ジベレリン / フィードバック / 転写調節因子 / キナーゼ |
Research Abstract |
ジベレリン(GA)は植物の伸長成長に顕著な促進作用を示す植物ホルモンである。本研究の目的は発生のプログラムと環境刺激がいかにしてGAの内生量を調節しているかを解明することにある。RSGはタバコのbZIP型転写因子である。我々はRSGがGA生合成系酵素遺伝子の転写調節を介してGA内生量のフィードバック制御に関与することを見出した。さらに14-3-3タンパク質がRSGと結合しRSGの細胞内局在を促進することにより、RSGの機能を負に調節していることを明らかにした。 これまでの解析からGAはRSGのSer-114のリン酸化を介してRSGと14-3-3の複合体形成を促進することが明らかになった。さらにGA依存的にRSGのSer-114をリン酸化するキナーゼはCDPK(カルシウム依存性タンパク質リン酸化酵素)であることが示唆された。それを検証するために、今年度はCDPKを過剰に発現する形質転換植物を作製して解析した。CDPKはRSGの細胞質局在を促進するので、CDPKの過剰発現は負のGAフィードバック制御を抑制すると予想された。GA生合成阻害剤を投与してGA20-酸化酵素遺伝子の発現を調べると、CDPK過剰発現体ではGA20-酸化酵素遺伝子のフィードバック制御が抑制されていることが明らかになった。種子発芽にはGA生合成が必要であり、GA生合成阻害剤は発芽を阻害する。発芽率を指標としてGA生合成阻害剤に対する感受性を調べると、CDPK過剰発現体は対照植物に比べて顕著に高い感受性を示した。さらにCDPKの阻害剤を投与するとGAに依存したRSGのSer-114のリン酸化とRSG-GFPの細胞質移行が共に抑制された。これらの結果はCDPKがRSGの機能調節を介してGAフィードバック制御に関与することを示している。
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