2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17054029
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 陽介 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (90183855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 優 独立行政法人産業技術総合研究所, チームリーダ (40357348)
古本 強 広島大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30313208)
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Keywords | ジベレリン / 転写調節因子 / フィードバック / キナーゼ |
Research Abstract |
ジベレリン(GA)は植物の伸長成長に顕著な促進作用を示す植物ホルモンである。本研究の目的は発生のプログラムと環境刺激がいかにしてGAの内生量を調節しているかを解明することにある。RSGはタバコのbZIP型転写因子であり、GA生合成系酵素遺伝子の転写調節を介してGA内生量のフィードバック制御に関与する。RSGの機能は14-3-3タンパク質により負に調節されており、その結合にはRSGのSer-l14のリン酸化が重要である。 これまでの解析からGA依存的にRSGのSer-ll4をリン酸化するキナーゼはCDPK(カルシウム依存性タンパク質リン酸化酵素)であり、RSGと複合体を形成することを明らかにした。本年度はRSGとの結合に関与するCDPKの領域を決定した。プルダウン法などによる解析の結果、CDPKのN末側の可変領域がRSGとの結合に重要であることが明かとなった。CDPKの10番目のアミノ酸ArgをAlaに置換した変異型CDPKは、RSGとの結合力が低下すると同時に、in vitroにおけるRSGのSer-114のリン酸化活性が低下することを見出した。CDPKのN末可変領は基質認識に必要なのである。CDPKは植物においてCa^2+が関与する信号伝達系の主要なキナーゼであり、シロイヌナズナでは34の遺伝子が存在している。CDPKはN末から可変領域、キナーゼ領域、自己阻害領域、カルモジュリン様領域から構成され、可変領域を除いてCDPKの一次構造は高度に保存されている。今回得られた結果は、これまで不明であったCDPKのN末可変領域の機能を初めて明らかにしたものである。植物で大きなファミリーを形成しているCDPKは、そのN末の可変領域で基質を認識する興味深いキナーゼのファミリーである可能性が示された。
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Research Products
(11 results)