2005 Fiscal Year Annual Research Report
転写関連因子のアセチル化を可視化するシステムの開発
Project/Area Number |
17054046
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 昭博 独立行政法人理化学研究所, 吉田化学遺伝学研究室, 研究員 (40391859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 和樹 独立行政法人理化学研究所, 吉田化学遺伝学研究室, 基礎科学特別研究員 (10415169)
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Keywords | FRET / アセチル化 / ヒストン / p53 / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
翻訳後修飾としてのアセチル化はヒストンの構造機能を制御することにより遺伝子の発現を制御するだけでなく、がん抑制遺伝子産物であるp53を初めとした様々な転写因子の活性化を制御することによっても転写を制御していることが明らかになってきた。そこで、ヒストンとp53のアセチル化を生細胞内で可視化する蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を原理とした蛍光プローブの開発を行った。上記蛍光プローブはDECODE回路を追究するための強力な手段になりうると考えられる。アセチル化ヒストンを検出する蛍光プローブを作製するために、FRETを起こす蛍光ドナー蛋白質であるCFPにヒストンH4を連結した蛋白質と蛍光アクセプター蛋白質であるYFPにアセチル化ヒストンH4結合蛋白質を連結した蛋白質をリンカーで結ぶことによって、アセチル化依存的に分子内でFRET変化を起こすヒストンH4アセチル化の蛍光プローブを作製し、内在性のヒストンH4と同様にクロマチン内に取り込まれていることを確認した。さらに、ヒストン脱アセチル化阻害剤であるトリコスタチンA(TSA)によって蛍光プローブのアセチル化が誘導され、FRET変化が起きることを確認した。以上の結果から、作製した蛍光プローブは生細胞内で内在性のヒストンH4と同様の挙動を示し、蛍光プローブのアセチル化はFRET変化に伴う蛍光強度比変化として検出可能であることが分かった。アセチル化p53を検出する蛍光プローブを作製するために、同様にCFPにp53を連結した蛋白質とYFPにアセチル化p53結合蛋白質を連結した蛋白質をリンカーで結ぶことによって、アセチル化依存的に分子内でFRET変化を起こすp53アセチル化の蛍光プローブを作製した。作製した蛍光プローブが核に取り込まれていることを確認した。
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Research Products
(2 results)