2005 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞の発生を制御する遺伝子発現調節系とエピジェネテックス
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17054049
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Research Institution | Mitsubishi Kagaku Institute of Life Sciences |
Principal Investigator |
竹内 隆 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 主任研究員 (70197268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白土 治己 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 特別研究員
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Keywords | 発生・分化 / 転写制御 / クロマチン制御 / シグナル伝達 / 心筋細胞 / 形態形成 / 細胞増殖 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
1.心筋細胞の発生過程でのエピジェネティックス変化のプロファイリング 心筋細胞の発生過程での増殖・分化能の変化の中で、増殖および分化調節遺伝子のクロマチン修飾状況の変化の解析を行った。まず、このため、生体心臓からのクロマチン免疫沈降法を確立し、ついで発生過程での様々な遺伝子のピストン修飾状態の変化を解析した。その結果、心臓発生に必須のホメオボックス遺伝子Nkx2.5のプロモーターの修飾が転写亢進型に変化していくという初期的な結果を得た。 2.JmjによるサイクリンD1遺伝子の転写抑制機構とエピジェネティックス変化 Jmjがいかに心筋細胞でサイクリンD1遺伝子の転写を抑制するかをクロマチン制御の観点で解析し、以下の結果を得た。(1)Jmj蛋白質複合体はヒストンメチル化活性を持つ。(2)Jmj蛋白質はヒストンメチル化酵素、G9a、複数のヒストンデアセチル化酵素、ヒストンシャペロンCAF-1 p48その他、様々なクロマチン制御関連蛋白質と結合する。(3)Jmjの発現亢進によりサイクリンD1遺伝子プロモーターのヒストンH3K9(メチル化されると転写抑制される、G9aの基質)のジメチル化が亢進する。(5)JmjとG9aとの結合活性には組織特異性があり、それが細胞ごとの増殖活性に関与する可能性が示唆された。(6)G9aの心臓機能を解析するため、心臓特異的ノックアウトマウスを作成した。現在、表現型を解析中である。 以上の結果から、JmjがG9aなどのヒストン修飾酵素と結合、サイクリンD1遺伝子プロモーターのヒストンを修飾することにより、サイクリンD1遺伝子の転写抑制され、さらにはその状態が維持されることが示唆された。
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Research Products
(2 results)