2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17059002
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤本 健造 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (90293894)
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Keywords | 光DNA操作 / DNAナノ構造 / 枝分かれDNA |
Research Abstract |
研究計画通り、枝分かれするDNA分子の開発を行なった。光応答性核酸塩基としてカルボキシビニルウラシルを含むDNAを用いることで枝分かれ構造を容易に作り出せることを見出した。この手法を用いることで可逆的に多分岐構造も容易に調整できることを見出した。今までのDNA枝分かれ構造はHolidayジャンクション部位を模倣した会合状態により作り出されたものでありこの様に共有結合により形成される枝分かれ構造は興味深い。また可逆性も確認しており、今までに無い光を用いた可逆的DNAナノ構造素子構築の基本反応開発に成功したと考えられる。 この開発された分岐構造を有するDNA構築を参考に5'末端に含む人工DNAをガラスビーズ上に固定化させた系を用いることで酵素を使わずに簡単な2-SAT問題が解けることを実証した。また鋳型DNA上での直列連結に関しての光応答性人工塩基ライブラリーのさらなる拡張を目指しカルボキシビニルデアザプリンの合成に成功した。さらにDNA末端を光で閉じる光応答型DNAキャッピングをN3-メチルシアノビニルウラシルを用いることで可能にした。末端を閉じることで熱的安定性が著しく増し、DNA分解酵素に対しても耐性を獲得するなど、ユニークな物性を有しておりDNAナノ構造構築の基礎となる技術と考えられる。その他、カルバモイルビニルフェーノールを用いることで鋳型DNAに対し光クロスリンクすることを見いだした。以上、様々な反応特性を有する光応答型人工塩基がさらにライブラリーに加わった。次年度はこれら分子群を組み合わせた光DNA操作を用いることで高速遺伝子解析のデモを行なう予定である。
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Research Products
(3 results)