2006 Fiscal Year Annual Research Report
西アジア旧石器時代の行動進化と定住化プロセスの関係
Project/Area Number |
17063002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 宏之 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 助教授 (50292743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 克彦 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 教授 (70152204)
橘 昌信 別府大学, 文学部, 教授 (90078832)
安斎 正人 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 助手 (60114360)
|
Keywords | 考古学 / 先史学 |
Research Abstract |
本研究は、特定領域研究「セム系部族社会の形成-ユーフラテス河中流域ヒシュリ山系の総合的研究」の計画研究に相当し、西アジアにおける部族社会の形成プロセスを、現代人の出現過程にまで遡及し、後期旧石器時代から新石器時代にかけての人類の行動進化と定住化プロセスの中に探ることを目的としている。 研究第二年度にあたる平成18年度は、上記の研究課題を遂行するために、前年度に引き続き、資料調査とその整理に重点を置いて研究を進めた。1)西アジア及び世界各地の行動進化と定住化過程論に関する文献資料等の収集とデータ集成を継続して実施した。 2)西アジアの農耕過程論研究の第一人者であるスティーブン・マイズン教授(英国レディング大学)の公開講演会を開催した。この講演の概要は、領域のホームページで公開している。 3)西アジアの後期旧石器集団は遊動型狩猟採集民であり、地域的な環境適応に応じた長期にわたる試行錯誤の過程を経て、完新世以降農耕・牧畜社会に移行したが、このシナリオの一般性は、世界各地で組み立てられつつある定住化過程論との詳細な比較検討が必要となる。そのため今年度は、韓国・中国東北部・ロシア極東といった環日本海領域の関連資料を集中的に調査し、東アジア型の定住化過程との比較を試みた。人類史の初期段階以来、旧大陸の東西は、主として環境条件の違いに起因する大きな差異が認められているが、その差異は、西アジアと東アジアにおける定住化プロセスの違いをもたらす歴史的・構造的要因となっている。社会進化における部族社会の登場は、東西ともに変わりはないが、その過程は大きく異なると予想される。
|
Research Products
(7 results)