2009 Fiscal Year Annual Research Report
西アジア旧石器時代の行動進化と定住化プロセスの関係
Project/Area Number |
17063002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 宏之 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50292743)
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Keywords | 考古学 / 先史学 / 旧石器時代 / 西アジア / シリア |
Research Abstract |
シリア・ビシュリ山系を対象フィールドとして、西アジアにおける部族社会の形成プロセスを探ることが本特定領域研究の共通課題である。本計画研究は、その最初期の段階である旧石器時代の人類社会・文化の中にその起源を探求することを目的とした。ヨーロッパを中心に展開する旧石器考古学では、装飾品・埋葬・道具の様式等の各種証拠から、現生人類がヨーロッパに出現した段階で、社会組織の複雑化が興起したと考えられている。ヨーロッパへの現世人類の拡散は、西アジアを経由したに違いないが、当該地域での社会の複雑化に関する研究は具体的な展開を見ていない。本研究では、人類の行動進化と定住化プロセスの中にその具体的なプロセスを見いだすことを目指して、唯一豊富に残された石器資料から技術システムや管理・運用の方法を比較考古学の方法によって読み取り、社会進化の理論的な展望を構築する作業を継続して実施してきた。今年度は、ウクライナ科学アカデミーに所蔵されている前期旧石器以降の多層遺跡であるコロレボ遺跡の資料調査、モンゴル北部のトルボル遺跡の現地踏査および同国科学アカデミー所蔵資料の調査、韓国湖南文化財研究院等所蔵の最新出土資料の調査、ドイツ・ケルン大学に所蔵されているシリアの代表的な岩陰遺跡であるヤブルド遺跡の資料調査およびオーストラリア博物館所蔵のマンゴー湖出土資料の調査等を実施した。その結果、遊動型先部族社会とでも形容可能な分節社会は、後期旧石器時代から存在した可能性が高いという結論を得た。
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Research Products
(5 results)