2006 Fiscal Year Annual Research Report
西アジアにおける考古遺跡のデータベース化の研究-衛星画像解析による探査法-
Project/Area Number |
17063012
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
松本 健 国士館大学, イラク古代文化研究所, 教授 (00103672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 均 国士館大学, 文学部史学地理学科, 教授 (80208496)
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Keywords | 西アジア / 考古遺跡 / データベース / 衛星画像 / ビシュリ山地 / セム語族 / シュメール / メソポタミア文明 |
Research Abstract |
昨年度に引き続きイラクの既知の遺跡をデータベースに入力するために、位置を確認し、分析項目を設定して、遺跡のデータベース化を進めた。南イラク特に失われた湿地地帯での遺跡を含むウルク地域(シュメール文化圏)については、ヨルダンでのイラク文化遺産研究関係者の研修の中で、新たな遺跡の分布調査結果の情報も検討しながら、GISによるデータベース化も進めている。この地域は湿地帯の環境復元が国際的な協力によって進められている、ただそれは逆に湿地が涸れ、新たに出現した遺跡群が再び水没すると言う事態を招いている。湿地であったこの地域の遺跡群はメソポタミア文明誕生の謎を解く重要な手掛かりであり、緊急に発掘調査することが求められている。 またプロジェクトの最終年度の21年度に予定していたシリア地域のセム系源流地域ビシュリ山系のデータベース化については昨年度の衛星画像による解析に加え、今年度シリアでの現地調査を行なった結果、衛星画像からの解析結果と現地調査の結果を比較し、遺跡の分布状況、植生等の調査も加えて、遺跡の立地条件を研究することが可能となった。例えばユーフラテス川中流域の農耕地面積、農作物の生産高、河川の流域の変遷、生産高と人口の関係、また集落或は都市の規模との関係等が明らかにされるかもしれない。一方では沙漠地帯或は乾燥地帯のビシュリ山地での草木の植生、そして生産高、家畜の種類や頭数との関係なども研究対象となる。 今後も既に調査され確認されている西アジアの遺跡群の位置、大きさ、地質、堆積状況、植生、形成年代などを解析し、遺跡の基礎的な形成要因のデータベース化を進めると同時に、遺跡すなわち都市や集落などの立地条件等の調査研究も行なう予定である。
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Research Products
(4 results)