2008 Fiscal Year Annual Research Report
西アジアにおける考古遺跡のデータベース化の研究-衛星画像解析による探査法-
Project/Area Number |
17063012
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
松本 健 Kokushikan University, イラク古代文化研究所, 教授 (00103672)
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Keywords | 西アジア / 考古遺跡 / データベース / 文化遺産 / 衛星画像 |
Research Abstract |
本研究は、衛星画像探査法を用いて西アジア地域を対象とした考古遺跡のデータベース化研究をおこなうことを目的としている。主な手法としては、時系列ベースマップ作成などの基礎情報の整備を行った後、衛星リモートセンシングおよびGIS解析による考古遺跡情報の抽出、そしてこれらの情報を統合して考古遺跡データベース化の研究を進めている。 平成20年度は、シリアユーフラテス中流域およびイラク中〜南部の時系列ベースマップの整備と、高解像度地表モデルの作成およびそれらを利用して遺跡を半自動的に抽出することで遺跡データベース作成を進めた。 ベースマップの作成は、ALOSPRISMデータを基本位置情報データとし、ALOSAVNIR-2データとパンシャープン処理をおこなった衛星画像地図を現在の地図とした。この情報をもとに1960年代撮影のCORONA衛星写真を幾何補正し、当該地域で最も古い衛星画像地図を作成した。遺跡の詳細情報解析には、より解像度の高いKompsat-2などの衛星データを入手し、時系列ベースマップに加えGISで利用した。また、デジタル写真測量により、10mメッシュデジタル地表モデルの作成もおこなった。 これらベースマップを解析することで、分光反射と地表面情報から沖積地でのテル型遺跡の抽出が効率的に抽出できるようになった。また、1960年代からの時系列ベースマップを用いることで、遺跡周辺の土地被覆変化の定量的な解析をおこなうことが可能となった。 地図の整備が十分でない地域でのベースマップ作成が進んだことと、西アジアの沖積地でのテル型遺跡探査法を確立したことで、本年度の目標は達せられたといえる。
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Research Products
(7 results)