2009 Fiscal Year Annual Research Report
西アジアにおける考古遺跡のデータベース化の研究―衛星画像解析による探査法―
Project/Area Number |
17063012
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
松本 健 Kokushikan University, イラク古代文化研究所, 教授 (00103672)
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Keywords | 西アジア / 考古遺跡 / データベース / 文化遺産 / 衛星画像 |
Research Abstract |
本年度は、これまで取り組んできた西アジア地域での衛星データを利用した遺跡地図および遺跡データベース作成を、より範囲を広げて進めた。遺跡データベース作成のための、衛星リモートセンシングによる遺跡抽出に関しては、これまで扱っていたテル型遺跡だけでなく、高解像度衛星データを導入し、ケルン墓やシャフト墓などの小規模遺跡についても分析対象とした。 昨年度までに構築してきた遺跡データベースの応用として、いまなお破壊の危機にさらされているイラクを対象に、モニタリングシステムの構築を試みた。これまで高解像度衛星を使用した判読で報告されることが多かった遺跡盗掘が、大規模な盗掘被害を受けている場合は、中解像度衛星を使用しても確認できることが判明した。これにより、より低価格で広範囲を監視できるようになった。このモニタリングシステムの運用については、イラク考古遺産庁職員と打ち合わせをおこなった。 ○現地調査:平成21年8月に、ヨルダンのデカポリス「アビラ」周辺を対象に、衛星データからソイルマークを判読した道路遺構と思われる地点の現地調査をおこなった。現地では直線状に表採遺物の分布が確かめられ、衛星データを利用した広域の遺跡探査法の有効性が確認できた。 ○外部発表:シリア国ユーフラテス中流域を対象に、衛星リモートセンシングによる遺跡の抽出および地図化をおこなった研究の成果を、第22回CIPA国際シンポジウムにて発表した。また遺跡データベースの応用例として、衛星リモートセンシングによるイラク考古遺跡のモニタリングシステム構築について第3回ALOSデータノード共同PIシンポジウムで報告した。 ○報告書:これまで発表した論文集に、新たに平成21年度の研究成果と遺跡分布図および遺跡リストを加え、報告書を作成した。
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Research Products
(6 results)