2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17064002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
押山 淳 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80143361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 賢二 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (20334039)
BOERO Mauro 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (40361315)
岡田 晋 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70302388)
BERBER Savas 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (90375402)
山内 淳 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (90383984)
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Keywords | ナノ物質 / バイオ物質 / 量子論 / 電子状態 / 密度汎関数理論 |
Research Abstract |
ナノ・バイオ物質におけるナノ形状と電子状態さらにはその機能との相関を調べるための、量子論に立脚した計算物理的手法による研究が進められた。計算手法の開発の側面での実績としては、以下の2点があげられる。 1.実空間密度汎関数法による計算コードが開発された。系(物質)の局所性を最大限に活用し、また実空間の各部分を計算機上の各CPUに割り当て、通信負荷を最小に抑えることに成功した。従来型の平面波基底展開法に比べ、格段の高速化が達成された。 2.分子動力学計算における位相空間サンプリング高速化の手法としての、メタ・ダイナミクス法がCar-Parrinello分子動力学法計算コードに組み込まれ、その応用計算が進展した。 これらの手法の活用による物質科学における成果としては、以下のx点があげられる。 1.実空間密度汎関数法による1000原子を越える密度汎関数法計算により、従来論争となっていた,シリコン中の複原子空孔周囲の原子緩和を決定した。 2.炭素ナノチューブと金属界面での原子構造と電子状態を明らかにした。金属元素種の違いにより,界面での原子構造が異なり,それにより,ナノチューブの電子状態が改変されることがわかった。また半導体表面ステップ端へのナノチューブの吸着は十分な吸着エネルギーを有することが明らかになり,これにより微傾斜面のステップをテンプレートとする,ナノチューブ配列の可能性がでてきた。 呼吸作用の最終段階を司るシトクローム酸化酵素でのプロトン移動の機構をCar-Parrinello法による量子論的ダイナミカル計算で明らかにした。ペプチド鎖を横断する,ケト・エノール転移型のプロトン移動が見出された。
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