2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17064012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
広瀬 喜久治 Osaka University, 大学院・工学研究科, 客員教授 (10073892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 英和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80170463)
小野 倫也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80335372)
江上 喜幸 長崎大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20397631)
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Keywords | 第一原理電子状態計算 / 電気伝導特性 / ナノストラクチャー |
Research Abstract |
本研究の目的は、研究代表者らが独自に開発した第一原理電気伝導計算手法に基づく計算プログラムを開発することと、これを用いてマテリアルデザインを行う。具体的には、電極間に構築された原子・分子ワイヤーやナノチューブ、フラーレンワイヤー、生体分子などの電子輸送特性を理論的に予測する。 本研究で用いている計算コードは並列計算に有利な実空間差分法を用いていることから、今後の計算機の進化の傾向を鑑み、今年度はペタコン世代の計算環境でグローバルスタンダードとなる大規模第一原理計算コードを開発した。計算コードの基幹部分の開発は、これまで大阪大学の研究グループが開発してきたコードを改良するということで阪大の研究グループが中心となって行い、一部のサブルーチンは国内および海外の他研究機関と共同でも開発した。開発中のコードは、共有メモリ型並列計算機および分散メモリ型並列計算機の両方で高速な計算が可能なように、MPIおよびOpenMPのハイブリッド並列化を行っている。また、計算の高精度化を図るため、従来のノルム保存型擬ポテンシャルよりも高精度なProjector Augmented Wave擬ポテンシャルの組み込みを行った。 開発したコードを用いてフラーレンダイマーの電気伝導特性の計算を行い、ピーナッツ型フラーレンダイマーよりも、結合していない単純なフラーレンダイマーの方が、良い電気伝導特性を示すことを発見した。 さらにコードの公開に向け、ユーザーが使いやすいように、インプットデータの簡略化やマニュアル整備などを行った。
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Research Products
(34 results)