2005 Fiscal Year Annual Research Report
高圧極限環境を活用した物質合成シミュレーション手法の開発・応用
Project/Area Number |
17064013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長柄 一誠 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10135676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下司 雅章 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70397660)
小田 竜樹 金沢大学, 自然学研究科, 講師 (30272941)
長尾 秀実 金沢大学, 自然学研究科, 助教授 (30291892)
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Keywords | メタ・ダイナミクス / 圧力誘起相転移 / 圧力誘起超伝導 / リン / ヨウ素 / リチウム / 酸素 / 窒化物 |
Research Abstract |
本研究課題に沿った研究として本年次の3つの点に重心をおいて行った 1.シミュレーション手法開発 2.物性評価のための手法開発 3.新物質合成法の提案 以下にその成果を具体的に説明する。 1.シミュレーション手法開発 高圧下での新物質相とその物性を知るための有効な手法開発としてメタダイナミクス法の開発を行っている。この手法はポテンシャル障壁を越えたところに存在する未知の構造を知るのに有効であると考えられている。本年度我々のグループで開発したコードを用いてリンの高圧相の理論的構造決定の成功し、2006年3月のPhysical Review Lettersに発表した。この例により、今後この手法が高圧下での未知相発見の有効手段であることがわかった。 2.物性評価のための手法開発 新物質相のメカニカルおよびダイナミカルな安定性、超伝導物性等の精度よい予測を目指す手法研究を行っている。圧力誘起超伝導におけるTcの圧力依存性の原因解明を試みた。ヨウ素、リチウム、テルルの圧力誘起超伝導のTcの第一原理計算を行い、Tcの精度よい評価にはブリリュアン域の各点でのフォノンの性質を知ることが重要でありこれらの物質でのTcの圧力依存性がフォノンのソフトと関係していることを示した。結果は2005年12月のJ.Phys.Soc.Japanに発表した。他に酸素高圧相の構造決定を試み、実験結果とのよい一致を得た。ここで用いられた手法が物性評価のための有効な手法であることがわかった。 3.新物質合成法の提案 また新機能物合成の可能性としてCaNの物性とその高温高圧合成法の提案をおこなった。
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Research Products
(10 results)