2007 Fiscal Year Annual Research Report
GW近似に基づくスピン・電荷・軌道偏極量子シミュレータの開発・公開
Project/Area Number |
17064015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
城 健男 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (20093487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 多美夫 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 教授 (90253054)
田中 新 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助教 (70253052)
獅子堂 達也 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助教 (20363046)
浜田 典昭 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00126145)
舩島 洋紀 東京理科大学, 理工学部, 助教 (60434049)
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Keywords | GW近似 / LDA近似 / YNiO_3 / 軟X線共鳴X線散乱 / 高温超伝導体 / Ba_2Ca_3Cu_4O_<10-x>F_x |
Research Abstract |
1. GW近似計算方法-FLAPW法におけるFock交換相互作用 GW近似法に基づく第一原理計算手法の開発において、全電子FLAPW法の枠組みの中で、Fock演算子の行列要素の定式化を行った。まず、Weinertのフルポテンシャル法において、MT球内に動径波動関数の積基底を導入し、球内に関する部分はすべて積基底を用いて定式化とブリュアンゾーン内の和に関する工夫により、大幅な計算時間短縮に成功した。次に、Weinertの手続きに従って、FLAPW法におけるクーロン発散項の表式を得た。これをSiに応用し計算のチェックを行った。 2. ペロブスカイト型酸化物RNiO_3の磁気秩序と軟X線共鳴散乱の理論 RNiO_3(R:希土類、Y)は金属絶縁体転移を示し、絶縁体相での磁気構造として理想立方晶[111]方向にスピンが上上下下と配列するとされて来た。しかし、最近のNi2p内殻軟X線共鳴散乱実験は、ノンコリニアなスピン配列を示唆している。Niのe_g 軌道を考慮したハバード模型に基づき、クーロン相互作用と交換相互作用の相対的大きさと磁気構造の関係を調べた。その結果、実験から想定される両者の大きさのもとでは、実験と茅盾しないノンコリニア構造を得た。 3. 多層型高温超伝導体のバンド構造と反強磁性 Ba_2Ca_3Cu_4O_<10-x>F_xは、BaO層のOをFで置換することにより、ホールドープと電子ドープフエルミ面が共存、反強磁性と超伝導が共存する。Xの関数として,4枚のCuO_2面の電子構造を調べ、フェルミ面の性格付けをすることを通じて、反強磁性、超伝導の出現機構とXの関係を明らかにした。
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