2008 Fiscal Year Annual Research Report
GW近似に基づくスピン・電荷・軌道偏極量子シミュレータの開発・公開
Project/Area Number |
17064015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
城 健男 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (20093487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小口 多美夫 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (90253054)
田中 新 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (70253052)
獅子堂 達也 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (20363046)
浜田 典昭 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00126145)
舩島 洋紀 東京理科大学, 理工学部, 助教 (60434049)
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Keywords | GW近似 / LDA近似 / k・p摂動 / Rashba効果 / Fe_3O_4 / Mg_2Si |
Research Abstract |
1. GW近似計算手法-FLAPW法におけるk・p法の定式化- LDAの範囲内では定量的記述が困難な軌道偏極等の秩序状態の定量的記述をめざして、GW近似に基づく第一原理計算コードの開発を進めた。特に、Fock演算子の計算に有効なk・p法のLAPW基底関数を用いた定式化を行った。それをCuに適用し、バンド分散を正しく再現することを確認した。 2. 表面Rashba効果に対する第一原理計算と群論的考察 典型的なRashba効果を示すAu(111)系を中心とした表面系に対してスピン軌道相互作用を含めた相対論的な第一原理電子状態計算を行うとともに、群論的考察から理想的なRashba効果が現れる条件やバンド分裂、スピン構造にどのようなヴァリエーションが現れるかを議論した。 3. パイロクロア格子における複素数軌道秩序 逆スピネル構造を持つマグネタイトFe_3O_4のBサイト上Feイオンに代表されるパイロクロア型格子上で、t_<2g>電子に対する3バンドハバード模型を用いて、ハートリー・フォック近似および有限系(16サイト)厳密対角化法により、現実的なパラメータの範囲で複素数軌道秩序状態が安定になりうることとその出現機構を示した。 4. 環境低負荷熱電物質の開発 Mg_2Si, CrSi_2, Fe_2VAlについて、LDAまたはLDA+UによるFLAPWのバンド計算を行い、得られたバンド構造に対しボルツマン方程式に基づいて熱起電力(ゼーベック係数)の評価を行った。緩和時間一定の近似の精度を、実験と計算を比較することにより、チェックした.
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