2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17064016
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
前園 涼 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 講師 (40354146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 泰造 独立行政法人物質, 材料研究機構計算科学センター, グループリーダー (60343852)
新井 正男 独立行政法人物質, 材料研究機構計算科学センター (40222723)
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Keywords | 電子状態 / 密度汎関数法 / 量子モンテカルロ法 / 固体物理 / 計算科学 |
Research Abstract |
量子モンテカルロ法、特に拡散モンテカルロ法は、電子相関を精密に扱う汎用法としては最も精密な手法である。従来法に較べ多大な計算コストを要するが、「1.扱う対象系が大きくなっても計算コストの増加がなだらかである事」、「2.掛けたコストだけ確実に精度が上がる事」、といった利点を持つ。この手法では量子力学的な(虚)時間発展を真面目に計算して、初期試行関数が含んでいる基底状態以外の成分を虚時間減衰させる事で数値的に純化するという方策を用いる。実装上いくつかの制約はあるものの、枠組みとしては汎用手順で数値的厳密解にも到達出来る形式を与えている。 固体周期系を対象とした最も直接的な研究としては、昨年度のダイアモンド固体に引き続き、シリコン結晶のエネルギー体積曲線計算を基とした基礎物性に関する精密計算を遂行し、ダイアモンド構造からβスズ構造への転移圧のより精密な定量的再現を目指している。また「beyond LDA」へのより直接的な貢献を念頭に置き、非一様性を考慮した交換相関ポテンシャル構築を最終的な狙いとして、一様媒質に埋め込まれた孤立原子系に対する計算基盤構築も順調に進行している。今年度中には、埋込系の試行関数生成、DMC計算、DMC電荷密度からの交換相関ポテンシャル構築という一連の基盤が全て構築を完了し、計算成果が蓄積されつつある。この他、擬ポテンシャルQMC計算の基盤として、ポルフィリン遷移金属錯体をベンチマークとした擬ポテンシャルのキャリブレーション計算を行った。また生体分子系のような空間的に疎な物質系を効率良く扱う方策であるフラグメント法をQMC法に組み合わせた方法論を開発し、その成果を発表した。
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Research Products
(25 results)