2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17064017
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大野 隆央 National Institute for Materials Science, 計算科学センター, センター長 (30344435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 剛 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算科学センター, 主任研究員 (50354147)
木野 日織 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算科学センター, 主任研究員 (70282605)
西野 正理 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算科学センター, 主任研究員 (80391217)
奈良 純 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算科学センター, 主任研究員 (30354145)
館山 佳尚 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (70354149)
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Keywords | 大規模第一原理計算 / オーダーN手法 / 大域的安定構造探索 / 伝導特性解析シミュレーション / 有機単分子架橋系 / 酸化還元反応 / 生体系、DNA |
Research Abstract |
ナノ構造全体を解析できる超大規模第一原理シミュレーション手法は、ナノ物質の示す構造・物性・機能を理解し設計するために不可欠な計算科学技術である。本研究課題では、超大規模解析が可能な第一原理オーダーN手法の開発を中心として、安定構造・反応経路探索法、伝導特性解析法、励起状態解析法等のナノ物質の解析に有効な手法を確立し、ナノバイオ系・ナノ触媒系への適用を図ることを目標としている。本年度は、オーダーN法第一原理計算手法の開発とそれを用いた理論研究として、生体系に対する適用を本格的に開始した。最初に、DNAの単一塩基及び塩基対に対して、様々な局在基底及び交換相関項を用いて構造最適化を行い、最適化構造と安定化エネルギーを求めた。高精度の量子化学計算との比較により、GGA-PBEの交換相関エネルギー項が水素結合に対して高精度を持つ事、小さい局在長を持ったDZP基底によっても十分な精度の計算が可能な事を示した。さらに、水和水を含むDNA-10塩基対(3439原子)からなる巨大系についてオーダーN計算の実現に成功した。密度行列のカットオフ依存性を調べた結果、密度行列最適化手法によるオーダーN法がDNA系に対して極めて高い精度を持つ事が分かった。手法、プログラム開発としては、様々な局在擬原子軌道(PAO)基底を求める手法の開発、PAO計算による安定化エネルギー誤差を補正するプログラムの導入等が行われた。さらに、以前より開発してきた伝導特性解析プログラムを用いて、有機分子架橋系の伝導特性に対する第一原理計算を行い、ビフェニル分子と金属表面間の接続原子の種類による伝導特性の変化を調べた。また、今年度から、第一原理量子モンテカルロ法による研究も開始し、Mnダイマー、Mn酸化物クラスターに対する計算を行った。
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Research Products
(47 results)