2005 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族並びに脂肪族炭素-水素結合の活性化に基づくホウ素基およびケイ素基導入反応
Project/Area Number |
17065001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石山 竜生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00232348)
|
Keywords | アリール型ホウ素化合物 / 芳香族炭素-水素結合活性化 / ホウ素化 / イリジウム触媒 / アレーン / ヘテロアレーン / パラジウム触媒 / 非対称ビアリール |
Research Abstract |
芳香族炭素-水素結合の活性化に基づくホウ素化反応 1.反応条件とホウ素化剤 量論量のアレーンおよびヘテロアレーンのビス(ピナコラート)ジボロンおよびピナコールボランによる芳香族炭素-水素結合の直接ホウ素化反応が、[Ir(OMe)(COD)]_2および4,4'-ジ-tert-ブチル-2,2'-ビピリジンとから調製した触媒の存在下ヘキサン溶媒中室温で進行し、対応するアリール型ホウ素化合物を収率良く与えることを見いだした。 2.反応の一般性と選択性 本ホウ素化は官能基共存性に優れており、エステル、シアノおよびハロゲンなどを有するアレーンおよびヘテロアレーンも利用可能である。アレーンの反応における位置選択性は置換基の立体障害による影響を大きく受け、置換基のオルト位での反応は極端に遅い。このことを利用することで、1,3-二置換型および置換基が同一の1,2-二置換型アレーンで単一の異性体が得られる。五員環ヘテロアレーンの反応は、環内ヘテロ原子の電子的影響により活性化されたα位炭素-水素結合で選択的に進行する。 3.反応機構 [IrCl(COE)_2]_2、4,4'-ジ-tert-ブチル-2,2'-ビピリジンおよびビス(ピナコラート)ジボロンの混合物をメシチレン中50℃で攪拌した後に再結晶を行ったところ、トリス(ボリル)イリジウム(III)錯体が得られた。この錯体を過剰のベンゼンと反応させたところ、室温数分で完結したフェニルボランが得られた。以上の結果より、本反応の触媒活性腫はトリス(ボリス)イリジウム(III)錯体であり、この錯体への芳香族炭素-水素結合の酸化的付加およびアリール型ホウ素化号物の還元的脱離を経由してホウ素化が進行する。 4.有機合成への有効利用 本ホウ素化で得られたアリール型ホウ素化合物は単離・精製することなく、パラジウム触媒を用いたハロゲン化アリールとの鈴木・宮浦カップリングに利用可能であり、ワンポットで簡便に非対称ビアリールが得られる。
|
-
-
-
-
[Journal Article] Iridium-Catalyzed C-H Borylation of Arenes and Heteroarenes : 1-Chloro-3-iodo-5-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)benzene and 2-(4,4,5,5-Tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)indole2005
Author(s)
Tatsuo Ishiyama
-
Journal Title
Org.Synth. 82・-
Pages: 126-133
-