2006 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物間の高位置選択的な炭素-炭素結合形成法の開拓
Project/Area Number |
17065002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大井 秀一 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00241547)
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Keywords | ルテニウム錯体 / C-H結合活性化 / クロスカップリング / ビアリール合成 / ヘテロアリール化 / アリル化 / アリルアセテート |
Research Abstract |
これまでの研究で,ルテニウム錯体触媒を用いた,ピリジル基,イミノ基,オキサゾリニル基,イミダゾリニル基を有する芳香環のハロゲン化アリールによるオルト位選択的なアリール置換反応の開発に成功している.平成18年度は,このクロスカップリング反応の適用範囲を拡大するため,ハロゲン化ヘテロアリール類とのカップリング反応,アリルアセテート類とのカップリング反応へと研究を展開した. ルテニウム錯体触媒の存在下,2-フェニルピリジンと様々なハロゲン化ヘテロアリール類との反応を検討した.その結果,ブロモチオフェン,ブロモフランなど,ヘテロ原子を含む五員環ヘテロアリールブロマイドとの反応はスムーズに進行し,2.2等量のブロマイドを用いた場合にはオルト2置換生成物を高収率で与えた.窒素原子を含む6員環ヘテロアリールブロマイドとの反応では,2.2等量のブロマイドを用いてもモノ置換生成物を優先して与えた.また,窒素原子のオルト位に臭素が置換したものでは収率が低下した.収率の低いこれらのヘテロアリールブロマイドに関しては,今後反応条件の検討を引き続き行い,収率の改善を図る予定である. ハロゲン化アリールに代えてアリルアセテート類を用いてもカップリング反応が進行し,オルト位アリル化生成物が収率良く得られた.二重結合が内部に異性化したものも多少生成したが,その割合は1割程度であった.置換基を有するアリルアセテートの場合,分岐のアリルアセテートからは直鎖のアリル化生成物のみが主生成物として得られ,直鎖のアリルアセテートからは直鎖と分岐のアリル化生成物がほぼ同量生成した.
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