2008 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物間の高位置選択的な炭素―炭素結合形成法の開拓
Project/Area Number |
17065002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大井 秀一 Tohoku University, 環境保全センター, 教授 (00241547)
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Keywords | ルテニウム錯体 / C-H結合活性化 / クロスカップリング / ビアリール合成 / パラジウム錯体 / ホモカップリング |
Research Abstract |
これまでの研究で、ルテニウム錯体触媒の存在下、アリールピリジンとヘテロアリールブロマイドとのカップリングが進行することを見出している。今年度は、ルテニウム錯体触媒とアリルアセテートの存在下に、アリールオキサゾリンがオルト位でカップリングし、2、2'-置換対称ビアリールが生成することを見出した。アリルアセテートの構造が収率に大きく影響し、二重結合内部に置換基を有するアリルアセテートを用いると高収率でホモカップリング生成物が得られた。ルテニウム錯体に対する誘導基として、オキサゾリン以外にも、イミダゾール、チアゾール、オキザゾール、ピラゾールなどの五員環複素芳香環が有効であることも明らかにした。 また、芳香族C-H結合の直接的アリール化反応の基質一般性を向上させるべく、単純な芳香族化合物の直接的アリール化反応の開発を行った。高原子価のアリールパラジウム種には強力な求電子性が期待できることから有望な活性中間体になり得ると考え、その発生法の確立を目指した。具体的には、2価のパラジウム錯体と各種アリール金属試薬のトランスメタル化及び酸化剤による能動的な酸化を組み合わせることで4価のアリールパラジウム種の発生法を検討し、種々の芳香環との求電子置換反応について研究を行った。その結果、触媒として塩化パラジウム、酸化剤として二価の塩化銅を用いることにより、アリールスズ試薬やアリールケイ素試薬によるナフタレンなどの比較的電子豊富な芳香族化合物の直接アリール化反応の開発に成功した。
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Research Products
(4 results)