2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17065006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三上 幸一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (10157448)
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Keywords | ビタミンD / 2-α-F-19-nor-22-oxa-1-α, 25-D_3 / ビスアリルエーテ / [2, 3]Wittig / CF_3 / 位置制御 / ジアニオン / 置換基効果 |
Research Abstract |
当研究室ではこれまで、ビタミンD(V_D)A環の2α位がF、Meで置換されたVD誘導体の合成と、その生理活性の研究を行ってきた。今回、新たに2α位がCF_3基で置換されたV_D誘導体を合成し、その生理活性を調べるためにV_DA環の新たな合成法の開発を行った。 ビスアリルエーテルを出発基質とし、[2, 3]Wittig転位、Oxy-Cope転位、Ene反応を連続的に起こすことによりV_DのA環が合成される。しかし、非対称なビスアリルエーテルの[2, 3]Wittig転位はカルボアニオンの発生点が2か所(αとα'位)あるため、その位置選択性が問題となった。われわれはこの位置選択性の問題を電子的な要因により解決することを考えた。 V_DのCD環との連結に必要なヒドロキシエチル基を出発基質のβ'位に導入し、系中で発生するジアニオンの反発を利用することで、高収率、高選択性でα位で位置制御することに成功した。また、CF_3基をβ位に導入すると、その電子求引性効果によりカルボアニオンの発生点が完全にα位で位置制御された。このβ位のCF_3基は、V_D誘導体へと変換した場合にA環の2位に導入されることとなり、その生理活性に期待がもたれている。
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