2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17065008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上垣外 正己 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00273475)
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Keywords | リビング重合 / ラジカル重合 / 立体特異性重合 / アルケン / ラジカル付加 / 連続還元 / 炭素-炭素結合形成 / 酸化反応 |
Research Abstract |
本研究においては、アルケンのラジカル重合反応において、官能基選択的かつ立体選択的なラジカル付加反応を連続的に可能とする高度分子変換反応を構築し、分子量と立体構造が制御された高分子の精密合成を行い、高分子の精密構造に基づき効率的に機能を発現する材料開発へとつながるラジカル重合反応を構築する。 1.遷移金属錯体によるメタクリル酸エステルの立体特異性リビングラジカル重合 種々のルテニウム錯体[RuCl_2(PPh_3)_3,Ru(Ind)Cl(PPh_3)_2,RuCp^*Cl(PPh_3)_2]を用いて、メタクリル酸メチル(MMA)およびメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)の重合を種々の溶媒中で検討した。その結果、RuCp^*Cl(PPh_3)_2を用いて、(CF_3)_2C(Ph)OHなどのフルオロアルコール中で、MMAの重合を行うことにより、分子量が良く制御され(M_W/M_n=1.08)、シンジオタクチシチーの高いPMMAの合成が可能となった(r=88%)。一方、HEMAの重合においては、DMFやDMAなどの非プロトン性極性溶媒中、RuCp^*Cl(PPh_3)_2を触媒として用いることにより、分子量と立体構造の同時制御が可能となった。 2.キラルルテニウム錯体によるラジカル付加反応およびラジカル重合反応の制御 キラルなホスフィン配位子を有する種々のルテニウム錯体を合成し、ラジカル付加反応における立体選択性の発現を検討した。(-)-DIOPのような二座ホスフィン配位子をもつ錯体{Ru_2Cl_4[(-)-DIOP]_3}を合成単離し、X線結晶解析を行い、これを用いてCCl_3Brと種々のオレフィンの1:1ラジカル付加反応を検討した結果、エナンチオ選択的付加反応が進行した。インデニル基と(-)-DIOPをもつ錯体でも同様なエナンチオ選択性を発現した。さらにこれらの錯体を用いて、MMAやスチレンなどのリビングラジカル重合反応を検討した結果、分子量の制御が可能であることを見出した。
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Research Products
(5 results)