2005 Fiscal Year Annual Research Report
精密酸塩基触媒を用いる官能基炭素分子の高度分子変換反応の開拓
Project/Area Number |
17065010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸岡 啓二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20135304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 貴史 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80271708)
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Keywords | 有機酸塩基触媒 / 炭素炭素結合形成反応 / キラル相間移動触媒 / スピロ型アンモニウム塩 / クラウンエーテル / 人工アミノ酸 / 不斉アルドール反応 / 不斉マンニッヒ反応 |
Research Abstract |
本研究では、天然資源の少ない我が国で炭素資源を有効に活用し、今世紀の社会を支える技術基盤となる環境調和型の実践的有機合成プロセスの確立に向けて、金属を有しない有機酸塩基触媒を独自に創製し、これを有機合成化学の根幹をなす各種の炭素炭素結合形成反応に応じて精密に修飾することで、これまで及びもつかないような反応性・選択性(位置、立体及び官能基)を備えた基盤的炭素骨格形成反応の案出を目指した。まず、本研究者によって既に開発されたキラル相間移動触媒であるスピロ型アンモニウム塩の反応性を向上させるためには、ごく微量のクラウンエーテルの添加が有効であることを見いだした。さらに、本触媒の構造の単純化ならびに反応性・選択性の向上を目指し、究極の有機分子触媒とも言えるモノビナフチルジアルキルアンモニウム塩のデザインに成功した。これにより、各種の人工アミノ酸の実用的不斉合成プロセスが可能になった。さて、こういった不斉アルキル化法ではかさ高いアミノ酸の合成には不向きである。そのため、かさ高いアミノ酸合成を目指して不斉ストレッカー反応を可能にする、最適のラセン型キラル相間移動触媒を新たに考案した。これにより、各種のかさ高いアミノ酸の実用的合成が可能になった。さらに、新たなキラル有機触媒として二官能基性有機触媒をデザイン、調製することに成功し、各種アルデヒド類とケトン類との不斉アルドール反応、また、各種アルデヒド類とイミン類との不斉マンニッヒ反応において高いエナンチオ選択性を実現することができた。
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Research Products
(6 results)