2007 Fiscal Year Annual Research Report
官能基炭素アニオン種を用いる高度な不斉分子変換反応の開発
Project/Area Number |
17065011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 猛夫 Kyoto University, 化学研究所, 教授 (50214680)
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Keywords | 合成化学 / エノラート / アミノ酸 / 複素環 / 不斉合成 / 軸性不斉 |
Research Abstract |
本研究では安価に入手容易なα-アミノ酸を官能基炭素資源かつ不斉源として利用し、高度に官能基化された非天然型アミノ酸および関連化合物を合成することを目的としている。K^+をカウンターカチオンとする塩基を高配位性溶媒中用いると、アミノ酸誘導体の環化が立体保持で進行するが、一方Li^+をカウンターカチオンとする塩基を低配位性溶媒中で用いると立体反転で環化が進行する。本年度は本反応をキラルエノラートの分子内共役付に適用した。L-アミノ酸(Met, Ala, Phe)から誘導されMichael受容体を分子内に持つアミノ酸誘導体をKHMDS/DMFで処理すると、連続する4置換-3置換炭素を持つ含窒素複素環が高ジアステレオ選択的に最高98%eeで得られた。一方、同化合物をLiTMP/THFで処理するとそのエナンチオマーが最高91%eeで得られた。このように安価なL-アミノ酸の高度に官能基化された4置換炭素含有複素環への簡便かつ高選択的な分子変換を達成した。一方、KOHをDMSO中で用いると立体保持での環化が最高99%eeで反応が進行することを見いだした。本反応アミンフリーの高活性キラルエノラートを経て進行する。この特徴を活かしβ位に脱離基(アルコキシ基)を持つα-アミノ酸誘導体の直接的不斉環化を開発した。即ち、セリン誘導体の直接的不斉環化による4置換炭素含有環状アミノ酸やTHFアミノ酸の不斉合成に初めて成功した。
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