2006 Fiscal Year Annual Research Report
シクロアルカン類の炭素-炭素結合活性化に基づく高選択的開環反応
Project/Area Number |
17065013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 貴洋 京都大学, 大学院理学研究科, 講師 (50335197)
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Keywords | 触媒反応 / 炭素炭素結合開裂 / 環状化合物 / 遷移金属 / 開環反応 / 第三級アルコール / ロジウム / アリール化反応 |
Research Abstract |
第三級アルコールから炭素-炭素結合の開裂によってアリールロジウム種を発生させ,有機合成反応へ応用することを目的として,ロジウム触媒による第三級アルコールを用いる電子不足アルケンヘの1,4-付加反応を検討した.ヒドロキソロジウム触媒([Rh(OH)(cod)]_2)存在下,3-ノネン-2-オンの1,4-付加反応を様々な置換基を有する第三級フェニルメタノール類をアリール化剤として用いて検討した.その結果,アクリジノンから誘導されるアクリジノールを用いたところ反応は速やかに進行し対応する1,4-付加生成物が定量的に得られることを見出した様々なアリール基を有するアクリジノール類はアクリジノンとアリールマグネシウム試薬から容易に合成でき本反応に適応可能であった.また,不飽和エステルヘの1,4-付加反応も速やかに進行した.本反応では,触媒としてジエン配位子を有する[Rh(OH)(cod)]_2が高い触媒活性を示すことから,不斉ジエン配位子を用いる不斉1,4-付加反応を試みた.その結果,触媒前駆体として[RhCl(C_2H_4)_2]_2および光学活性ジエン配位子である(S, S)-Bn-bod*を用い,塩基として炭酸セシウムを添加し,3-ノネン-2-オンの1,4-付加反応を行ったところ,対応する光学活性ケトンが収率95%,94% eeで得られた.
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