2005 Fiscal Year Annual Research Report
小分子炭化水素および一酸化炭素を利用する高度な炭素骨格構築反応
Project/Area Number |
17065015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神戸 宣明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60144432)
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Keywords | ハロゲン化アルキル / グリニャール試薬 / パラジウム触媒 / アレン / 多成分カップリング反応 / クロロシラン / 炭素-ケイ素結合形成反応 / 炭素-炭素結合形成反応 |
Research Abstract |
遷移金属触媒を利用することにより、アルケン、アルキン、ジエン類に対してケイ素及び炭素官能基を位置選択的に導入する反応が数多く開発されている。しかしながら、クロロシラン及びアルキルハライド類を用いたアレン類のシリル化及びアルキル化反応はこれまで報告例がない。我々は既に、遷移金属とグリニャール試薬を組み合わせて用いることにより、クロロシラン及びアルキルハライド類をシリル化剤及びアルキル化剤とする新しい触媒反応を見出している。今回我々は、同手法をアレン類へ適用することを目的として種々検討を加えたところ、アレン類の位置選択的なシリル化及びアルキル化反応の開発に成功した。 例えば、Pd錯体及びフェニルグリニャール試薬存在下、フェニルアレンとトリエチルクロロシランとの反応をTHF溶媒中、30℃で1時間行ったところ、フェニルアレンの中心炭素にフェニル基、末端炭素にシリル基が導入されたカルボシリル化体が92%の収率で位置及び立体選択的に得られた。また、フェニルアレンの1位にMe基やPh基を導入した基質を用いた場合にも反応が進行し、対応するカルボシリル化体がそれぞれ84%、50%の収率で得られた。 同様の条件下、アリールグリニャール試薬の代わりにビニル及びメチルグリニャール試薬を用いても本反応が効率よく進行した。 また、β-水素を有するブチルグリニャール試薬を用いた場合、対応するカルボシリル化体が76%の収率で得られるが、同時にヒドロシリル化体が8%得られた。sec-ブチル基及びtert-ブチルグリニャール試薬を用いたところ級数の増加に伴い、ヒドロシリル化体の生成比が増加した。 クロロシランの代わりにアルキルハライド類を用いた場合も同様の反応が進行し、フェニル基とアルキル基が導入された生成物が得られた。興味深いことに、フッ化アルキルを用いた場合も反応が進行し、ベンジル位にアルキル基が導入された生成物が良好な収率で優先的に得られた。
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Research Products
(7 results)