2006 Fiscal Year Annual Research Report
小分子炭ヒ水素および一酸化炭素を利用する高度な炭素骨格構築反応
Project/Area Number |
17065015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神戸 宣明 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (60144432)
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Keywords | メチレンシクロプロパン / グリニャール試薬 / カルボマグネシウム化反応 / ニッケル触媒 / 多成分カップリング反応 / クロロシラン / シリル化反応 / 位置選択的炭素-炭素結合開裂 |
Research Abstract |
ビニルグリニャール試薬は、エチレンから安価かつ多量に合成されている塩化ビニルを原料として合成できることから、C2ユニットの合成試材として工業化学的に重要である。本年度の研究は昨年から引き続いて、このビニルグリニャール試薬の合成化学的応用反応の開拓に重点を置いた。その結果、ニッケル触媒及びグリニャール試薬存在下、メチレンシクロプロパンの炭素-炭素単結合の位置選択的切断を伴ったカルボマグネシウム化反応を開発した。例えば、ニッケル触媒及びビニルグリニャール試薬存在下、2-フェニル-1-メチレンシクロプロパンとトリエチルクロロシランとの反応を行うと、位置選択的に三員環が開環し、その両端にビニル基とシリル基が導入された三成分カップリング体が高収率で得られた。またこの反応は、グリニャール試薬の種類により、メチレンシクロプロパンの異なる位置で炭素-炭素単結合が開裂することを見出した。たとえば、フェニルグリニャール試薬を用いると、上記の三成分カップリング体は全く得られず、2,3-ジフェニル-1-ブテンが主生成物として得られた。その他、ビニルグリニャール試薬を、C4ユニットとして生成物に導入する新反応をいくつか見出し、この分野の新しい展開の芽を見出しつつある。また、ブタジェンをC4ユニットとして利用するC8ユニットの構築反応についても検討を加えた。その内、シリル化反応について、今までの成果と合わせてChem. Rec.誌に総合論文としてまとめた。また、メチルフェニルアセチレンが銅触媒によるクロスカップリング反応の優れた配位子となることを明らかにすると共に、その展開として共役エンイン化合物に対する付加反応の研究を開始した。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Conversion of a(sp3)C-F bond of alkyl fluorides to(sp3)C-X(X=Cl, C, H, O, S, Se, Te, N)bonds using organoaluminium reagents2007
Author(s)
Jun Terao, Shameem Ara Begum, Yoshiaki Shinohara, Masahiro Tomita, Yoshitaka Naitoh, Nobuaki Kambe
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Journal Title
Chem. Commun. 8
Pages: 855
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[Journal Article] Pd-catalyzed thiocarbamoylation of terminal alkynes with sulfenamide and carbon monoxide2006
Author(s)
Hitoshi Kuniyasu, Tomohiro Kato, Shigehito Asano, Jia-Hai Ye, Ohmori Takumi, Masaski Morita, Hiroshi Hiraike, Shin-ichi Fujiwara, Jun Terao, Hideo Kurosawa, Nobuaki Kambe
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Journal Title
Tetrahedron Lett. 47・7
Pages: 1141-1144
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