2007 Fiscal Year Annual Research Report
高度な立体制御を伴う官能基炭素分子の新規酸化還元反応系の開拓
Project/Area Number |
17065017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲永 純二 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (50091244)
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Keywords | 自己組織化型低原子価錯体 / 分子間ラジカル反応 / 還元的二量化 / 触媒的不斉Evans-Tishchenko 反応 / キラル多孔質固体触媒 / 不斉エポキシ化 / フロー反応システム |
Research Abstract |
[1] エナンチオ選択的分子間ラジカル反応の新展開 分子間ラジカル反応における不斉制御、中でも官能基から離れた点でのラジカルカップリングにおける不斉誘導は合成化学上最も困難なもののひとつであり、解決すべき課題として残されている。われわれは新しいキラルサマリウム還元剤としてSmI_2/ビナフチルモノオール/TMEDA(1:4:4)型錯体やSmI_2/(R)-BINOL/アキラル配位子/TMEDA(1:1:2:4)型錯体を調製し、これらを用いてクロトン酸アミドの還元的二量化反応を良好な化学収率ならびに高い不斉収率で達成した。 [2] 触媒的不斉Evans-Tishchenko反応 高度に立体規制された不斉反応場を構築しうる新規3,3'-二置換BINOL誘導体を種々合成し、これらをキラル配位子とするレセプター型金属錯体を用いてEvans-Tishchenko反応を検討した結果、チタン、3,3'-dianthryl BINOL及び1,2-エタンジチオールから調製される触媒系が高収率ならびにこれまでで最も高いエナンチオ選択性で2分子のアルデヒドを対応するエステルに変換することを見いだした。 高度に立体規制された不斉反応場を構築しうる新規3,3'-二置換BINOL誘導体を種々合成し、これらをキラル配位子とするレセプター型金属錯体を用いてEvans-Tishchenko反応を検討した結果、チタン、3,3'-dianthryl BINOL及び1,2-エタンジチオールから調製される触媒系が高収率ならびにこれまでで最も高いエナンチオ選択性で2分子のアルデヒドを対応するエステルに変換することを見いだした。 [3] 不斉酸化固体触媒のフロー反応系への展開と反応機構に関する考察 適度な重合度を有するポリスチレンの存在下で、自己組織化により不斉酸化固体触媒を調製しこれをカラムの充填剤とするフロー反応系の検討を行い、共役エノンの不斉エポキシ化を高エナンチオ選択的に進行させる連続不斉酸化反応システムの構築に成功した.
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Research Products
(4 results)