2008 Fiscal Year Annual Research Report
高度な立体制御を伴う官能基炭素分子の新規酸化還元反応系の開拓
Project/Area Number |
17065017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲永 純二 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 教授 (50091244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古野 裕史 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (90335993)
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Keywords | 誘導適合 / 不斉触媒 / キラル希土類触媒 / キラル不均一触媒 / 不斉エポキシ化 / 不斉マイケル付加 / フロー反応系 / グリーンケミストリー |
Research Abstract |
(1) 動的軸不斉を活用する新しい不斉合成手法の開拓 : 同一分子内に静的軸不斉と動的軸不斉を併せ持つ配位子を用いて, 不斉マイケル反応を室温下定量的に高エナンチオ選択性で進行させるカルシウム触媒を開発した。本触媒は誘導適合型の反応を促進していると考えられ新手法を提供するものである。 (2) 自己組織化型キラル希土類錯体触媒の開発 : キラルスカンジウム錯体触媒の自己組織的一段調製に成功し, これを用いて高エナンチオ選択的不斉マイケル反応を達成した。本触媒は熱的に安定であり60℃での反応においても99%eeの生成物を与えた。キラル配位子の回収再使用も可能である。 (3) 連続不斉触媒反応システムの開発 : 医薬品等の重要中間体であるα, β-エポキシケトン類を高実用的に与えることのできるフロー系の高性能キラルランタン錯体酸化触媒システムの開発を行い, 高エナンチオ選択性(>98%ee)と高効率分子変換(>93%yield, TON>100)の同時達成に成功した。 (4) ホモアリルアルコール類の選択的不斉エポキシ化反応触媒の開発 : レセプター型不斉空間を有する不斉エポキシ化触媒2種を開発し, ホモアリルアルコール類のエナンチオ選択的(〜80%ee)酸化を達成した。本触媒はアリルアルコール存在下でのホモアリルアルコールに選択的酸化を可能とする。 (5) 再使用可能な固体触媒を用いるゼロエミッション型分子変換 : 希土類イオンと剛直な多方向性配位子から一段階で調製した固体ルイス酸触媒を用いて, エポキシドからアミノアルコールへの変換反応を無溶媒条件下室温で達成した。本触媒は10回目の使用においてもその触媒活性を失わず, 使用するすべての化学品はリサイクルできるので廃棄物ゼロ型の合成手法となる。
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Research Products
(21 results)