2008 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素へのラジカル付加を活用する高度な炭素-炭素結合形成法の開拓
Project/Area Number |
17065018
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
柳 日馨 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 教授 (80210821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 浩 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (20239073)
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Keywords | ラジカル反応 / 脱スズ型反応 / 一酸化炭素 / カルボニル化 / 連続結合形成 |
Research Abstract |
一酸化炭素は石炭からナフサまでを原料基盤にできる潜在的に豊富で安価な炭素資源である。本研究では、ラジカル種によるカルボニル化手法における課題として一酸化炭素へのラジカル付加を鍵とする連続型合成反応の開拓に取り組んだ。特に本年度においては一酸化炭素の多様な官能基への導入法として発展させることと環境調和型反応プロセスとすることに力を注いだ。例えば1-オクチンとジアザビシクロウンデセン(1, 8-diazabicyclo-[5.4.0]undec-7-ene)を一酸化炭素加圧下にラジカル反応条件下に行った。その結果、3分子連結反応が環化を伴って進行し、5、6, 7員環が縮環した不飽和ラクタムが良好に得られることを見出した。また、アジド基をアシルラジカルの環化末端としてスピロラクタム環構築反応を検討した、期待したスピロラクタムが得られた。さらに一酸化炭素とボロヒドリド試薬による脱スズ型ヒドロキシメチル化法について詳細な検討を行い、本ヒドロキシメチル化反応を双環性ポリケチドCommuniol E全合成の鍵段階合成で活用した。低出力光源による光照射との組合せにより、本反応が常圧一酸化炭素で十分に達成できることも見出した。さらにマイクロリアクターを用いるラジカルカルボニル化の反応プロセスも検討することで、研究室で反応開発か6製造へと進む一体型パッケージの可能性を示すことにも成功した。また、当特定領域研究内での共同研究を通じてフルオラス反応媒体による多相系ラジカル反応やフルオラス鎖を有するNHPIを用いた触媒型反応の開発にも成功した。
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