2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17065020
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大寺 純蔵 Okayama University of Science, 工学部, 教授 (20131617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折田 明浩 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (30262033)
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Keywords | 芳香族 / アセチレン / 分子変換 / 炭素-炭素結合 / ワンポットプロセス |
Research Abstract |
我々は重金属を使用しないアセチレン合成プロセスとしてスルホンとアルデヒドを出発原料に用いた二重脱離法を新たに開発した。このプロセスを利用すれば様々なアリーレン-エチニレンを合成することが出来る。得られたヨードアセチレンをビルディングブロックに利用して、分子の中心を様々な芳香環で置換したアリーレン-エチニレンを得ることができた。また、これらの紫外可視吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定したところ、分子中央の芳香環の種類によってスペクトルが異なることが明らかになった。 アリーレン-エチニレンは高い蛍光量子収率を持つ。そこで、分子の中心にシロールを有するアリーレン-エチニレンを合成したところ、強い蛍光発光が見られ高い蛍光量子収率が達成された。また、アリーレン-エチニレンをケイ素上に置換したテトラエチニルシランを合成したところ、高い吸光度を持ち強い蛍光を発することが分かった。また、ケイ素上のアリーレン-エチニレンの置換基の数に応じて蛍光量子収率が増大することが分かった。 薗頭反応は遷移金属触媒としてパラジウムや銅を用いる。そのため、薗頭反応で合成した有機材料には遷移金属が含まれる可能性があるが、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製によってこれらの金属種を完全に除去することができた。一方、再結晶法のみで精製を行った場合には100ppm以上もの金属が残存することが確認された。また、スルホンの二重脱離法で合成したフェニレンエチニレンの場合には、カラムクロマトグラフィー、再結晶いずれの方法を用いて精製した場合でもリンや硫黄成分を完全に除去することが困難であった。デバイスを作成し、そこに含まれる不純物とFET特性とを比較検討したところ、不純物が微量含まれる場合には不純物がドーパントとしてFET特性の向上に作用している可能性があることが分かった。
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