2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17067001
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岡田 修司 山形大学, 工学部, 教授 (30250848)
|
Keywords | 共役ポリマー / ポリジアセチレン / 固有重合 / 単結晶 / ナノ結晶 |
Research Abstract |
階層構造構築のために水素結合が形成可能で超分子的相互作用が期待される複素環としてピリジル基が直結したブタジイン部位に直結した8-(4-ピリジル)-5,7-ヘキサジイン-1-オール誘導体の合成に成功した。これらのモノマーと長鎖カルボン酸との水素結合性錯体の形成を試みたところ、ほとんどの場合でモノマーのピリジン環部位とカルボン酸部分との間での水素結合性錯体の形成が確認され、その錯体ではポリマーへの転化率が多くの場合向上することがわかった。また、モノマーは同様なπ共役系を有しているが、生成するポリジアセチレンの共役系が異なってくるような例としてトリインおよびエンジイン誘導体を合成した。いずれも固相重合性が確認されたことから、ポリマー構造の詳細についての検討を開始した。さらに共役アセチレン数が8個のモノマー合成を試みたが、段階的にアセチレンを延長しつつ合成する反応スキームでは、中間体や目的化合物の反応性が高いために収率が低くなってしまうという問題点が明らかになり、反応経路の改良の検討を行った。 一方、ブタジインモノマーを再沈殿することでそのナノ結晶分散液が得られ、さらに紫外光照射することでポリジアセチレンナノ結晶分散液が得られることは既に報告されているが、ナノ結晶の異方性を活かした機能化を目的として、ラジカル重合開始剤によるブタジインナノ結晶の重合を試みた。その結果、ブタジインナノ結晶の分散液に過硫酸カリウム等を添加して過熱することでも固相重合が進行することを初めて明らかにした。バルク結晶での実験結果との比較等から、ブタジイン結晶においては、ラジカル開始剤が共役主鎖が形成する方向と垂直な面を攻撃したときのみ重合が進行することが明らかとなり、共役主鎖の末端がラジカル開始剤残基で修飾されたような構造が得られていることが示唆された。
|