2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17067001
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岡田 修司 山形大学, 工学部, 教授 (30250848)
|
Keywords | 共役ポリマー / ポリジアセチレン / 固相重合 / 単結晶 / ナノ結晶 |
Research Abstract |
超階層構造を有する共役高分子の分子設計の観点から、モノマーは同様なπ共役系を有しているが、生成するポリマーの共役系が異なるような化合物を与える例として、1-フェニルヘキサトリイン誘導体1、1-フェニル-1-ヘキサエン-3,5-ジイン誘導体2および1-フェニル-5-ヘキサエン-1,3-ジイン誘導体3を合成し、その固相重合挙動を検討した。その結果、1と2では固相重合が見られたものの、3は多形が5種も見出されたにもかかわらず固相重合性は確認されなかった。1と2のポリマーの構造について詳細に検討したところ、同じ位置で重合が進行しており、その結果ポリマーの共役も同じような広がりを示したことが示唆された。また、ラダー型ポリジアセチレンを与えることで興味が持たれる、共役アセチレン数が6個のモノマーを数種合成するとともに、共役アセチレン数が8個のモノマー合成に関しては、合成経路改良を推し進めた。さらに、既に合成に成功しているピリジル基がブタジイン部位に直結した8-(4-ピリジル)-5,7-ヘキサジイン-1-オール誘導体についても、種々の超分子的相互作用の検討を行うために、収率向上を目的として合成経路の改良を行った。 一方、ブタジインモノマーを再沈殿して得られる分散液中のナノ結晶を、ラジカル重合開始剤によって重合可能であることを見出したが、開始剤の種類を種々変えたところ、分散の経時安定性に欠け、沈殿を容易に生成する場合が多く見られた。そこでナノ結晶の分散安定性向上を目的として、界面活性剤を添加した。その結果、開始剤、界面活性剤の組み合わせによって状況は変わるが、適当な組み合わせでは分散安定性が向上し、さらに重合速度も増加する場合があることを見出した。また、ナノ結晶の静電吸着法による基板への固定化の予備検討を開始した。
|