2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代共役ポリマーの超階層性らせん構造の制御と革新機能の創出
Project/Area Number |
17067003
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤木 和夫 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (20150964)
|
Keywords | 共役ポリマー / 階層制御 / 機能制御 / ヘリカルポリアセチレン / キラル液晶場 / らせん構造 / キラル発光 / キラルドーパント |
Research Abstract |
本研究は、キラル液晶を反応場とする不斉重合法を確立させ、ヘリカルポリアセチレンの合成展開のみならず、新たに、階層的らせん構造をもつ複素環および芳香環共役ポリマーを創成する。これにより、新規の電磁気的性質や円偏光発光性などの新しい光学的性質を発現させることを目的する。当該年度は、以下の課題を推進し、次世代共役ポリマーの超階層性らせん構造の制御と革新機能の創出を試みた。 1. 軸不斉ビナフチル化合物の2,2'位をメチレン鎖で橋架けにした構造と、非橋架けの構造を合成し、これらは同じキラリティー(光学的配置)であっても、ネマチック液晶に対して反対方向の捻れを誘起することを見いだした。これらのキラルネマチック液晶を不斉反応場としてアセチレンを重合すると、左右逆方向の捻れをもつヘリカルポリアセチレンが得られた。このように、同じキラリティをもつビナフチル化合物であっても、橋架け構造の有無を選択するだけで、不斉液晶場およびそこで合成される生成物の捻れ方向を制御できることを可能とした。 2. 広い温度範囲(-15〜40℃)でネマチック相を示す新規4成分系ネマチック液晶を調製した。次に、特異的な温度依存性を示す軸不斉キラル化合物を合成し、これをキラルドーパントしてネマチック液晶に添加して、誘起キラルネマチック液晶を調製した。これにより、低温(-15〜15℃)と高温(2015〜40℃)の範囲において、互いにねじれの方向が逆転した液晶反応場を構築した。この液晶反応場を用いて、低温と高温でそれぞれアセチレンの重合を行うことで、ヘリカルポリアセチレンのらせんの向きが反転することを可能とした。
|