2007 Fiscal Year Annual Research Report
階層制御されたDNA/共役ポリマー高次組織体の構築と光電機能
Project/Area Number |
17067004
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 範久 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 教授 (50195799)
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Keywords | ナノ材料 / 高分子構造・物性 / 共役ポリマー / ポリアニリン / DNA / 超階層構造 |
Research Abstract |
DNA/共役高分子(ポリアニリン;PAn)高次組織体単分子鎖の直接観察と高次組織体薄膜の光および電気特性の観点から,19年度は以下の2点について検討を行った。(1)DNA/PAn高次組織体単分子鎖の直接観察手法を確立するとともに,pH,熱などの外部刺激に対し,どのように組織体構造の変化が誘起されるか観察,刺激と構造変化の相関を明らかにした。具体的には濃度,pH,熱処理温度等を調節したDNA/PAn高次組織体溶液を調製し,表面がナノメートルレベルで平滑な親水性のマイカならびに疎水性のHOPG固体基板上に展開,高次組織体単分子鎖レベルでの直接観察(SPM)を行った。組織体においても単分子鎖レベルでの直接観察が可能となり,また,基板上ではそれらが分子レベルでネットワーク構造を作ることが明らかとなった。展開溶液のpHを約3程度に低下することでこのネットワーク構造は破壊され,それぞれが孤立した点状の集合体となる。DNA鎖の塩基対の解離,組織体内での親疎水バランスの影響を受けこのような結果が得られたと考えられる。次に,(2)上述の条件下で調製した組織体の薄膜を作製し,その電子機能性を評価した。具体的には1μm程度の組織体薄膜をITO電極上に作製し,電流電圧特性を評価した。その結果,電流電圧特性の定量的な評価には組織体がネットワーク構造をとる条件が必要であり,またその条件は組織体構造の影響を大きく受けることが明らかとなった。
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