2007 Fiscal Year Annual Research Report
高秩序パイ共役ポリマーの合成と自己集積・配列によるキャリア移動制御
Project/Area Number |
17067006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 隆一 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
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Keywords | パイ共役ポリマー / ポリチオフェン / ピリジン / ピロール / 紫外可視スペクトル / 3次非線形光 / 自己集積 / 酸化 |
Research Abstract |
有機金属化学の手法を用いて、チオフェン、トリアゾール、ピリジン、ピロール等の複素環単位からなるパイ共役ポリマー及びオリゴマーを合成し、その化学的性質を明らかにした。パラジウム錯体を用いて合成した側鎖に炭素-炭素3重結合を有するパイ共役ポリマーについては、紫外可視スペクトルの測定により強い自己集積性が有ることを見出し、またこのポリマーがポリチオフェン系パイ共役ポリマーの中にあっては大きな3次非線形光学定数を持っことを明らかにした。チオフェン単位とトリアゾール単位から成るパイ共役ポリマーについては、発光性があることを見出した。またチオフェン単位とピリジン等の単位から成るパイ共役オリゴマーの酸化反応を分光学的に解析し、酸化反応を動力学的に解析した。側鎖に炭素-炭素3重結合を有するピロール単位から成る新規パイ共役ポリマーをパラジウム錯体等を用いる方法により合成し、そのパイ共役ポリマーが自己集積を行う傾向があることを明らかにした。また、分子内に電荷移動構造を有するパイ共役ポリマーについて、大きな電荷移動構造を示すものほど大きな3次非線形光学定数を与えることを明らかにした。また、9,10-ジヒドロフェナントレン単位から成るパイ共役ポリマーについては、発光性や円2色性等の光学的性質を明らかにした。上記の光学的性質の研究によりパイ共役ポリマー中の電荷移動を担うキャリアーの基礎的性質を解析することができた。また、ESR法によりポリチオフェン系パイ共役ポリマーについて、ポリマー鎖中におけるキャリアーの移動についての基礎的結果を得ることができた。
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Research Products
(3 results)