2008 Fiscal Year Annual Research Report
高秩序パイ共役ポリマーの合成と自己集積・配列によるキャリア移動制御
Project/Area Number |
17067006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 隆一 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
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Keywords | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / 先端機能デバイス / 超分子化学 / ナノ材料 / 自己集積 / 電荷移動構造 |
Research Abstract |
ニッケル錯体やパラジウム錯体を用いるC-Cカップリング反応により、新しいパイ共役ポリマー及びオリゴマーを合成し、その物性, 機能を解析した。(1)チオフェン及び側鎖にアルキニル基を有するピロールより構成される共重合体、(2)2つ以上の発光中心を有するポリアリーレンエチニレン誘導体(3)窒素置換ポリナフタレン型ポリマー誘導体、(4)分子内電荷移動構造を有するポリアリーレンエチニレン型ポリマー等が挙げられる。これらのパイ共役高分子のうち、(1)や(3)、(4)のポリマーについて強い自己集積力を有することが分かった。最近の多くの研究により、高秩序固体構造の形成とパイ共役ポリマーのキャリア移動度の関係が着目されており、本研究により高秩序固体構造についての知見を与えることができた。また、側鎖にアルキニル基を有するポリチオフェンにおけるキャリア種の解析を名古屋大学の黒田新一教授(本特定領域研究の計画班班員)との共同研究により、ESR法により行った。また、上記の新たに合成したパイ共役ポリマーの多くは発光性を有するので、溶液及びフィルムについて蛍光の測定を行い、50%以上の高い蛍光収率を示すものがあることを明らかにした。パイ共役ポリマーの固体秩序構造については、おもにX線解析法により解析しい固体秩序構造の形成に側鎖アルキル基の関与が重要であることを明らかにした。
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