2005 Fiscal Year Annual Research Report
次世代共役ポリマーの設計、階層構造の構築、および機能評価
Project/Area Number |
17067008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 文雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70262318)
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Keywords | 次世代共役ポリマー / 階層構造 / 高分子合成 / 置換ポリアセチレン / 遷移金属触媒重合 / らせん高分子 |
Research Abstract |
我々は、多数の置換ポリアセチレンを合成しており、その中で生体らせん高分子と同じく規則正しい分子内水素結合を利用してらせん構造を安定化したポリ(N-プロパルギルアミド)をこれまでに見出している。そこで本研究では今年度、側鎖に機能性基を付与した新規ポリ(N-プロパルギルアミド)等の合成および生成ポリマーの特性の検討を行い、以下に示す結果を得た。 1)側鎖にポルフィリンを有するポリ(N-プロパルギルアミド)の合成およびそのらせん方向の決定 側鎖にポルフィリンを有するポリ(N-プロパルギルアミド)を合成し、生成ポリマーのらせんの巻き方向を実験的に決定した。生成ポリマーは、390nm付近に観察される主鎖由来のCDスペクトルが負の場合に左巻きのらせん構造、正の場合に右巻きのらせん構造を形成することを、側鎖ポルフィリンのSoret帯:由来の誘起CDを利用することにより明らかにした。 2)側鎖にL-アスパラギン酸エステルを有するポリ(N-プロパルギルアミド)の合成およびらせん構造 側鎖にL-アスパラギン酸エステルを有する二種のポリ(N-プロパルギルアミド)を合成し、生成ポリマーの二次構造をCDおよびUV_visスペクトルにより検討した。生成ポリマーは、主鎖から側鎖のキラル中心までの距離が異なり、互いに異なる溶媒中で一方向巻き優先のらせん構造を形成することがわかった。さらに、加熱や溶媒によって、らせん構造が崩壊または反転することも明らかにした。 3)側鎖にピレン環を有するポリ(N-プロパルギルアミド)の合成および特性 側鎖にピレン環を有するポリ(N-プロパルギルアミド)を合成し、その特性を比旋光度、CDスペクトルおよび蛍光スペクトル測定により検討した。得られたポリマーは一方向巻き優先のらせん構造を形成し、加熱や極性溶媒に対しても安定ならせん構造を有していた。また、モノマーと比較して非常に大きなエキシマー蛍光を示したことから、側鎖のピレン環が効率よく会合体を形成できるようならせん構造をとっていることが示唆された。
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Research Products
(6 results)