2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代共役ポリマーの設計、階層構造の構築、および機能評価
Project/Area Number |
17067008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 文雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70262318)
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Keywords | 次世代共役ポリマー / 階層構造 / 高分子合成 / 置換ポロアセチレン / 遷移金属触媒重合 / らせん高分子 / 機能性共役ポリマー / 蛍光特性 |
Research Abstract |
我々は、さまざまな種類の置換ポリアセチレンを合成しており、側鎖の官能基によってポリマー主鎖がらせん構造を形成したり、エレクトロルミネッセンスなどを示すことをこれまでに見出している。そこで本研究では今年度、側鎖にさまざまな置換基を有するポリアセチレンを合成し、生成ポリマーの特性について検討を行い、以下に示す結果を得た。 1)P原子上にキラル中心を有する光学活性N-プロパルギルリン酸アミドの合成および生成ポリマーのらせん構造 P原子上にキラリティーを有するN-プロパルギルリン酸アミドを合成し、単結晶X線構造解析を用いて絶対配置を決定した。このモノマーをRh触媒を用いて重合し、生成ポリマーの二次構造をCDおよびUV-visスペクトルにより検討した。生成ポリマーは溶液中で巻き方向の片寄ったらせん構造を形成していた。さらに、このモノマーをジアステレオマーと共重合することでらせんの巻き方向が反転することも明らかにした。 2)側鎖にL一リジンデンドリマーを有するポリフェニルアセチレンの合成とらせん構造 側鎖にL-リジン由来のデンドリマーを有するポリフェニルアセチレンを合成し、生成ポリマーの二次構造を比旋光度およびCDスペクトルにより検討した。得られたポリマーは巻き方向の片寄ったらせん構造を形成し、加熱やプロトン性溶媒の添加によってポリマーの片巻きらせん構造が崩壊することも明らかにした。 3)側鎖にN-フェニルカルパゾールまたはトリフェニルアミン部位を有するポリアセチレンの合成と特性 側鎖に二種類の機能性官能基を有するポリアセチレンをそれぞれ合成し、その特性を検討した。生成ポリマーは主鎖と側鎖の共役に基づくUV吸収を示し、用いる重合触媒の違いによって分子量、蛍光量子収率が異なっていた。さらにサイクリックボルタンメトリーにより明確な電気化学特性を示すことや、エレクトロクロミズムを示すことを明らかにした。また得られたポリマーはTGA測定により高い熱安定性を有していることも示された。
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