2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代共役ポリマーの設計、階層構造の構築、および機能評価
Project/Area Number |
17067008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (60026276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 文雄 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70262318)
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Keywords | 高分子 / 高分子合成 / ナノ材料 / らせん / 共役 / 置換ポリアセチレン / 光学活性 / 遷移金属重合触媒 |
Research Abstract |
報告者はこれまで置換アセチレンの重合に高い活性を示すNb、Ta、Mo、W、Rh、Ru等の遷移金属重合触媒を開発しており、それらを用いることにより、種々の置換基を持つ高分子量のポリアセチレンを合成することに成功している。置換ポリアセチレンは無置換のポリアセチレンと異なり、空気中で安定であり、側鎖の構造に応じた多様な共役系を提供する。本研究では、種々の置換基を有するポリアセチレンを設計し、種々の形態と度合いの共役系を有する次世代共役ポリマーの合成方法の確立を目指している。平成17、18年度までキラル炭素を主鎖二重結合のδ位またはそれより離れた位置に有するポリマーを検討してきた。平成19年度にはより効率的ならせんの誘起を目指し、キラル炭素を主鎖に隣接したα位に有する置換ポリアセチレンである、ポリ(1-メチルプロパルギルエステル)の合成および物性について検討した。モノマーの1-メチルプロパルギルエステルはロジウム双性イオン型錯体触媒により効率よく重合し、主鎖の二重結合がcisに制御された置換ポリアセチレンを高収率で与えた。ポリマーはモノマーに比べて極めて大きい旋光度と、主鎖の吸収領域に明確なコットン効果を示し、一方向巻き優先のらせん構造を形成していることが分かった。ポリ(1-メチルプロパルギルエステル)はこれまでに検討されてきた、らせんを形成する置換ポリアセチレンの中では極めて高いらせん構造の熱安定性を示した。ポリ(1-メチルプロパルギルエステル)の機能性材料への応用検討として、カルバゾールあるいは2,2,5,5,-テトラメチル-1-ピロリジニルオキシ基がらせん状に配列するポリマーを合成した。前者は高い蛍光発光性を示し、後者は良好な電池性能を示した。これらの官能基が高分子側鎖に規則正しく配列することにより、消光の抑制、効率的な酸化還元が達成されたと考えられる。
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Research Products
(28 results)