2005 Fiscal Year Annual Research Report
寸法と分子形状を超精密制御したハイブリッド共役ポリマーの極限性能
Project/Area Number |
17067009
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀田 収 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00360743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山雄 健史 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (10397606)
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Keywords | (チオフェン / フェニレン)コオリゴマー / ハイブリッド共役ポリマー / 高配向材料 / 光・電子物性 / 極限性能 / コヒーレント光学物性 / 狭線化発行 / THz発光 |
Research Abstract |
1 ハイブリッド共役ポリマー材料を用いた高配向膜、結晶膜の開発 チオフェン環とフェニレン(ベンゼン)環を分子レベルでハイブリッドし寸法と分子形状を超精密制御した(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーと称するハイブリッド共役ポリマー材料に関し、分子両末端をメトキシ基で置換した材料を新規に開発した。結晶は斜方晶系に属し、分子軸は結晶底面(bc-面)に対して厳密に直立することを明らかにした。この形態的特徴に起因して著しい光学特異性の発現が期待される。本年度は、溶融成形や昇華再結晶によって膜試料および薄片結晶を作製し、サイズが大きく高度に配向した材料形成を図った。 2 特異光学物性の観測 (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー結晶を強励起して蛍光スペクトルが著しく鋭くなる狭線化発光に関して光学特性を詳細に観察した。前項のメトキシ置換コオリゴマー材料の結晶膜を用いて、発光の(1)励起光強度依存性、および(2)結晶軸と励起光偏光方向の相対配置依存性を観測した。その結果、結晶試料のbc面に垂直な方向から光照射した場合、(1)励起光の偏光方向がc軸と平行なとき、励起光強度の増大に伴う狭線化が顕著に起こること、(2)強励起下において、狭線化発光の強度がbc面に平行な出射方向でほぼ等方的であることを明らかにした。 3 赤外放射観測系のセットアップ 前項のコオリゴマー材料の狭線化発光の際、結晶系は大域的なフォノンの協同振動状態にあると予想され、それに伴って赤外領域でコヒーレントなTHz発光が期待される。本年度は、その現象を追求すべく、赤外発光観測装置を設計・組み立て、試験的な測定を行った。来年度以降、ハイブリッド共役ポリマー材料に関して種々の条件下で精密測定を進める予定である。
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