2007 Fiscal Year Annual Research Report
フォトクロミックスイッチングユニットによるπ共役分子鎖の光機能化
Project/Area Number |
17067011
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河合 壯 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 琢也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (70379543)
長谷川 靖哉 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (80324797)
松井 龍之介 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80452225)
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Keywords | 導電性高分子 / π共役系 / フォトクロミック / 分子スイッチング |
Research Abstract |
光レセプター機能を有するフォトクロミック分子ユニットは光照射により可逆に分子構造を変え、これに伴って分子内のπ共役系の連結様式が大きく変化することが知られている。π共役系の共役長を外場制御できれば新たな分子スイッチングや分子メモリの可能性が期待されることから本研究ではπ共役系からなる分子鎖にフォトクロミック分子ユニットを導入し、電子・光物性が光照射によって可逆制御可能な分子メモリシステムの開発を目的として研究を進めた。 今年度はフォトクロミック分子ユニットとしてπ共役系の方向切り替え能が高い、ターアリーレン系フォトクロミック分子ユニットについて、新たに反応点炭素原子にπ共役系分子ワイヤーを導入することに成功した。さらにこの新規なアリールエチニルターアリーレンが可逆なフォトクロミック反応を示すことや、特徴的な熱反応性を示すことを見出した。量子化学計算の結果、この現象が熱開環反応に寄与するCC伸縮振動とフェニルエチニル基の振動モードの倍音共鳴に基づくフェルミ共鳴現象によるものであることを明らかにした。また、赤外吸収スペクトルの計測結果と量子化学計算との計測結果が良い一致を示すことを見出した。 また、スイッチング分子としての特性を評価する際に重要となる固体状態でのフォトクロミック反応性を検討する目的で、アモルファス固体を形成する新たなターアリーレン誘導体を合成した。その結果、固体状態においても高い反応性を示すことを見出した。
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