2005 Fiscal Year Annual Research Report
無機ナノ構造体を基盤とする共役ポリマーの階層構造制御
Project/Area Number |
17067013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大塚 英幸 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (00293051)
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Keywords | 共役ポリマー / 階層構造制御 / 無機ナノファイバー / 表面修飾 |
Research Abstract |
本研究では、無機ナノ構造体(無機ナノファイバー)を基盤として、共役ポリマーの形態および階層構造制御を行い、新規機能性材料の画期的な作製法を開発することを目的とする。 本年度は無機ナノ構造体(アルミノシリケートナノファイバー)表面と相互作用可能な官能基を有する小分子、ポリマー、共役ポリマーを用いた組織体の構造制御を検討した。 無機ナノ構造体(アルミノシリケートナノファイバー)の会合形態に関する知見を得ることから研究を着手した。赤外分光測定、X線回折測定、透過電子顕微鏡観察等の結果、有機リン酸系化合物を用いることで、凝集構造を大きく変化させることが可能であることを明らかとした。透過電子顕微鏡観察において、通常イモゴライト単体からはイモゴライトのファイバー状の形態が複雑に絡み合った網目状構造が観察されるが、有機リン酸系化合物で修飾されたナノファイバーが膜状の形態をとっている様子が観察された。X線回折測定の結果から有機リン酸系化合物がイモゴライト分子のバンドル間に入り込み吸着することでイモゴライト表面からアルキル鎖が伸びた状態になり、さらにアルキル鎖の分子間相互作用によりイモゴライトが配列したために2次元的な積層構造を形成したことが考えられ、階層構造制御の方向性の一つが示された。 また、リン酸基を有するモノマーをナノファイバーに吸着させ、それらのモノマーを基点として重合を行うことで、ポリマーとナノファイバーの複合系の構築に成功した。 さらに、側鎖にスルホン酸塩骨格を有する共役系ポリマーとナノファイバーの複合体は3次元のネットワーク構造を形成し、ゲルを生成することを見出した。無機ナノファイバー・と共役ポリマーにより3次元的構造体が得られた興味深い例であり、今後、詳細を検討していく計画である。
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Research Products
(5 results)