2007 Fiscal Year Annual Research Report
無機ナノ構造体を基盤とする共役ポリマーの階層構造制御
Project/Area Number |
17067013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大塚 英幸 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 准教授 (00293051)
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Keywords | 共役ポリマー / 階層構造制御 / 無機ナノフアイバー / 表面修飾 |
Research Abstract |
本研究では、無機ナノ構造体(無機ナノファイバー、ナノ粒子、シルセスキオキサンなど)を基盤として、共役ポリマーの形態および階層構造制御を行い、新規機能性材料の画期的な作製法を開発することを目的とする。前年度までに無機ナノファイバーであるイモゴライトがスルホン酸、リン酸などの官能基と相互作用することを明らかとしてきた。例えば、イモゴライト表面と共役ポリマー側鎖のスルホン酸基との相互作用により、複合体が形成されたことが示された。今年度は、イモゴライトとスルホン酸基を側鎖に有するポリパラフェニレン誘導体(WS-PPP)を1ayer-by-layer法(LBL)およびspin-assisted layer-by-1ayer法(spin-assembly)により交互積層化を行い、これらをナノレベルで積層することに成功した。積層回数の増加に伴って膜厚およびWS-PPPに由来する吸光度が直線的に増加することが明らかとなった。WS-PPP以外のスルホン酸基を有する共役ポリマーを用いても同様の現象が観測された。さらに、spin-assembly法で調製した薄膜は、原子間力顕微鏡観察の結果、ファイバー状の構造体が基板の中心から放射状に配向している特徴的な表面構造を有していることが明らかとなった。共役系ポリマーの光学特性は、イモゴライトの存在により失われることはなく、ファイバー状の組織体を階層的に積層できることが示された。さらに、これらの光学特性に関しては、A03班の研究グループとの共同研究を進めており、階層構造を制御したWS-PPPの偏光測定を行っている段階である。また、無機ナノ構造体としてシルセスキオキサンを用いて、ポリマー修飾シルセスキオキサンの合成を行い、未修飾のシルセスキオキサンとの凝集・分散特性に関する比較を行い、構造制御が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)