2008 Fiscal Year Annual Research Report
無機ナノ構造体を基盤とする共役ポリマーの階層構造制御
Project/Area Number |
17067013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大塚 英幸 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 准教授 (00293051)
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Keywords | 共役ポリマー / 階層構造制御 / 無機ナノファイバー / 表面修飾 |
Research Abstract |
前年度までに無機ナノファイバーであるイモゴライトがスルホン酸、リン酸などの官能基と相互作用することを明らかとし、これらの官能基を有する共役ポリマーとイモゴライトのハイブリッドはファイバー状の組織体を与え、階層的に積層できることを示した。今年度は、共役系オリゴマーであるオリゴチオフェン誘導体(HT3P)を分子設計・合成し、イモゴライトとの相互作用を検討した。イモゴライト上へのHT3Pの固定化は、赤外吸収スペクトル測定により確認した。イモゴライト表面に固定化されたチオフェン誘導体は、ナノファイバーによって構造制御されることが期待される。実際にHT3Pの吸収および蛍光スペクトル測定を行った結果、複合化により蛍光スペクトルの最大蛍光波長は445nmから515nmへとシフトが確認され、吸収スペクトルでは最大吸収波長が367nmから322nmへのシフトが観測された。このことから、ナノファイバー上でHT3PはH会合体を形成していることが示唆された。HT3Pを単独で分散した場合と比較して、イモゴライト表面に固定化した場合は、イモゴライト表面で会合体を形成した状態で溶液中に分散しているため、吸収および蛍光スペクトルにおいてこのようなシフトが観測されたと考えられる。さらに、ホスホン酸基を有するポリチオフェン誘導体(PTP)を合成し、イモゴライトとの組織化を検討した。LBL法により作製された積層膜では、スルホン酸基を有する共役ポリマーの場合と同様に、逐次的に高分子組織体を形成できることが明らかとなった。その他、無機ナノ構造体としてシルセスキオキサンを用いて、様々な官能基を有するシルセスキオキサンのポリマー中での凝集・分散特性に関する比較を行い、無機ナノ構造体の分子設計によりハイブリッド薄膜の構造制御が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(19 results)